初めての方へ

大切な遺伝資源

遺伝資源。それは、人類共通の財産。そして、一度、失われたら、戻らない。

みんなで活用し、未来へ引き継ぐ。それが、ジーンバンクの役目。

遺伝資源って?

「遺伝資源」という言葉は、生物の持つ多様な遺伝子が、有用な作物や家畜をつくり出すうえで有用なことから、資源として認識されるようになって生まれた言葉です。人類にとって今すぐに使われなくても、将来有用な、またはその可能性を持つものも含まれています。一般に作物や家畜の在来種や近縁の野生種のなかには、耐病性や不良環境に耐える遺伝的性質をもったものが多く、品種改良の素材として有用であることが知られています。

しかし、大規模な開発による生態系の破壊や、少数の優秀な改良品種の広範な普及により、多様な在来品種は急速に失われています。農研機構では、国内、国外の研究機関と協力して、世界中の遺伝資源を探索収集しています。これら資源は専門家によって分類・同定され、その特性を調べ、増殖・保管しています。保管された遺伝資源は、情報とともに公開され、新品種の開発や、最先端の研究に利用されているのです。

失われつつある遺伝資源

一般に作物や家畜の在来種や近縁の野生種のなかには、耐病性や不良環境に耐える遺伝的性質をもったものが多く、品種改良の素材として有用であることが知られています。しかし、大規模な開発による生態系の破壊や、少数の優秀な改良品種の広範な普及により、多様な在来品種は急速に失われています。

新品種の開発へ

農研機構では、国内、国外の研究機関と協力して、世界中の遺伝資源を探索収集しています。これら資源は専門家によって分類・同定され、その特性を調べ、増殖・保管しています。保管された遺伝資源は、情報とともに公開され、新品種の開発や、最先端の研究に利用されているのです。例えば、十分な甘みをもつ赤肉リンゴ「ルビースイート」は、ジーンバンクが保存する遺伝資源を交配に用いて開発された品種です。

ジーンバンク事業の役割

探索収集・導入

豆類遺伝資源の探索風景

ジーンバンク事業では、世界各地に残っている多様性に富んだ古い品種や野生種を探索収集する活動に力を入れています。そのために、毎年国内外に探索隊を派遣し、新たに登録される遺伝資源は年間1,000点以上にもなります。2014年には「PGRAsia」プロジェクトが発足。また、国内・海外の研究機関からも、貴重な遺伝資源を導入しています。

分類・同定・特性評価・保存

世界各地から集められた遺伝資源について、どのような特性を持つのかあらかじめ明らかにしておけば、効率よく研究・育種などを行うことができます。例えば、植物では形態的な特徴、耐病虫性や品質などの特性を、微生物では培養性状、顕微鏡的特徴や植物に対する病原性、物質生産の活性などを調査します。さらに、より正確な分類や種内多様性の解明を行うため、DNA解析も実施しています。

保存

収集した貴重な遺伝資源を安全・確実に保存することは、ジーンバンク事業の根幹をなす重要な役割です。保存に当たっては、植物遺伝資源の種子は低温・低湿の環境で保存し、発芽率によって活力を随時モニターしています。また、遺伝資源の保存を安全かつ確実に行うために、長期保存用遺伝資源と配布用遺伝資源とで保存方法を変える工夫も行っています。

配布・情報提供

ジーンバンクで保存している遺伝資源は、試験研究等を利用目的とする配布申込を随時受け付けています。毎年、1万点近くの遺伝資源が国内外に配布されており、さまざまな研究に貢献しています。また、探索収集・導入、特性評価、保存などを通して得られた知見は遺伝資源データベースとして蓄積され、これらはインターネットを通して広く発信しています。