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糸状菌株の移植
配布された培養糸状菌株は、受け取り後直ちに増殖を行ってください。作業にはクリーンベンチを使用するなど、雑菌の混入にはできるだけ注意してください。
- ニクロム線の先端をかぎ状に曲げ、図のような金属の棒とプラスチックの握り手の付いた柄に固定した器具(以下「白金鈎」という)を準備する。
- 配布された寒天斜面(スラント)培養菌株の試験管と移植先の試験管の口の周りをガスバーナーやアルコールランプ等の炎で軽く熱し滅菌する(シリコ栓が燃えることがあるので、熱しすぎないように注意してください。また、セラムチューブで配布されたものについては、70%アルコールを含ませた脱脂綿による表面の消毒を行ってください)。
- 白金鈎の先端部とニクロム線装着部を炎で良く焼き、特に先端部は赤くなるまで充分に熱して滅菌する。
- 熱した白金鈎の先端を移植先の平板培地や斜面培地の寒天面に接触させ、充分に冷却する。
- 配布されたスラント培養株のシリコ栓を抜き、4で冷やした白金鈎の先端で寒天ごと菌糸塊をかき取って(セラムチューブ配布株の場合は寒天ディスクをピックアップして)、新しい平板培地や斜面培地の上に移す。このとき、移植する菌糸付き寒天片を試験管の内側、特に口の周辺に触れないように注意する。
- 移植元の試験管と移植先の試験管の口の周辺とシリコ栓の先端を軽く炎で焼き、熱いうちにシリコ栓をはめる(焼いた部分に手が触れないように注意する)。移植先が平板培地の場合は、素早くふたをする。