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第9回 アジア植物遺伝資源 (PGRAsia) シンポジウム (Web開催) のご案内
農研機構遺伝資源研究センターは、農林水産省委託プロ「植物遺伝資源の収集・保存・提供の促進(PGRAsia)」を実施しています。本プロジェクトでは、アジア諸国*1のジーンバンク等と農研機構を中心とする研究チームが連携して野菜を中心とする植物遺伝資源*2の探索収集と特性評価を共同で行い、植物遺伝資源の利用促進に取組んでいます。
今回は、最近のプロジェクトの成果発表と、植物遺伝資源に関してかずさDNA研究所の磯部祥子様と農研機構遺伝資源研究センターの田中大介氏による講演を行います。
- 開催日時
- 2022年11月16日(水) 13:30~15:30
- 開催方法
- 本シンポジウムはGigaCastの配信システムを使ってお送りします(特段ソフトをダウンロードする必要はありません)。
- シンポジウム概要
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プログラム 13:30 開会 農研機構遺伝資源研究センター 山本伸一 13:30-14:30 プロジェクトの成果発表 - PGRAsiaプロジェクトの概要について: 農研機構遺伝資源研究センター センター長 熊谷亨
- キュウリ炭疽病抵抗性の育種素材探索と遺伝解析: 筑波大学 吉岡洋輔
- ラオスにおけるナス遺伝資源の探索と特性評価: 農研機構野菜花き部門 宮武宏治
- ロングリードシーケンサーで解読する遺伝資源ゲノム: 農研機構遺伝資源研究センター 内藤健
14:30-15:30 遺伝資源研究会 (講演1) 栄養繁殖性植物遺伝資源の超低温保存の現状 農研機構遺伝資源研究センター 田中大介 (講演2) イチゴゲノム解析とGS育種の365歩のマーチ かずさDNA研究所 磯部祥子 15:30 閉会 農研機構遺伝資源研究センター 山本伸一
参加申込
参加を希望される方は、下記の参加申し込み窓口より、登録をお願いいたします。
参加申し込み窓口: https://cloud.gigacast.tv/Live/Site/jmQDv1
申込締め切り: 2022年11月15日 (火)
※定員になり次第、申込を終了させていただきます (定員200名)
開催報告
2022年11月16日(水) 13:30~15:30に、農林水産省委託プロジェクトPGRAsiaの活動の一環として、「第9回 アジア植物遺伝資源 (PGRAsia) シンポジウム」をWeb開催で実施しました。
- 参加者
- 参加者数 130名(民間27、行政2、県16、独法46(内機構40)、大学38、マスコミ1)
- チャットで出された質問への回答
- [質問] 抵抗性の強い中国のきゅうりの品種はどうやって入手したのか?
- [回答] 強い抵抗性を示したキュウリ遺伝資源は中国の古い固定品種で、かなり前に日本に導入され、サブバンクである野菜花き研究部門で長期間保存されていたものです。
- [質問] ラオス側と遺伝資源の導入で見解の相違があったという点はどのようなことだったのか?
- [回答] 日本への植物種子の輸入には、相手国(ラオス)の植物検疫証明書が必要ですが、検疫証明書の発行には、日本からの輸入許可証が必要でした。しかし、日本としては、ナスに輸入制限はかけていないため、輸入許可証を発行することができず、ラオス側の手続きが進まない状況が数年続きました。農水省をはじめ、多くの関係者の働きかけにより、ラオス側の理解が得られ、日本への輸入許可証なしで検疫証明書が発行されるに至りました。
- [質問] ラオスでの探索で、葉根菜 (Brassica) の進捗状況はどのようになっているか?
- [回答] ラオスでは2020年度から葉根菜類の探索を開始し、2年間で134点の収集をしています。そのうち、124点がBrassica sp.、10点がRaphanus sativus L.です。アブラナ属は時期的に採種後の探索となるため、植物体の確認が難しく、種の同定には至っていません。これから日本への導入を進め、国内で特性評価、種子増殖を実施し、種を同定して配布できる環境を整えます。
- [質問] PGRAsia、PRISMで整備した、キュウリとメロンのコアコレクションについて、種子セットと、全ゲノムシーケンスおよびゲノムワイド多型データなどを利用したいのだが、リリースされるのか?
- [回答] メロンとキュウリコアコレクションの種子セットとゲノム情報の公開は、種子増殖中のため数年後になる見込みです。共同研究ベースでの提供を希望される場合、遺伝資源研究センター ジーンバンク事業技術室 E-mail: genebank at(nospam) naro dot affrc dot go dot jp 宛に問い合わせください。
- [質問] また、キュウリとメロンの表現型データ収集の協力を募集するというが、どのような形質を収集したいのか?
- [回答] 表現型データは農業形質であれば何でも結構です。特定の病原に対する抵抗性 評価でも、特定の位置にある葉の大きさ節間の長さ、枝分かれの数や胚軸長、トライコームの密度や有無、果実のサイズや色等々でも結構です。私自身がウリ科が専門ではないので、優先する特性については利用者や評価者と相談して決めたいと思います。取り合えず、遺伝資源研究センター ジーンバンク事業技術室 E-mail: genebank at(nospam) naro dot affrc dot go dot jp 宛にご連絡を頂ければと思います。
- [質問] カボチャの花粉を冷凍もしくは超低温保存することは可能でしょうか? カボチャは花粉の稔性がすぐに低下するため、人工授粉する際に大変な労力がかかる。花粉を適切に保存し、花粉採取の翌日以降の交配に使用できればと思う。
- [回答] 花粉の保存については作物種ごとに育種家や研究者が行っており、遺伝資源研究センターではカボチャの花粉保存に関する知見を持ち合わせておりません。ただ、農研機構内でカボチャ育種に携わっている研究員からの情報では、超低温保存(高度なやり方ではないですが)を含めて、花粉の保存法を色々試したがうまく行かなかったと聞いています。他のウリ科のスイカなどでは比較的うまくいくのに、なぜカボチャの花粉保存が難しいのか原因は分かりません。
お問い合わせ先
農研機構 遺伝資源研究センター PGRAsia事務局
E-mail: office-PGRAsia at(nospam) gene dot affrc dot go dot jp
電話: 029-838-7436 (根本) 029-838-7459 (山本)