平成20年度 遺伝資源研究会

平成20年度 農業生物資源研究所・遺伝資源研究会 ―植物遺伝資源探索の成果と将来展望―

日時
平成21年2月27日(金) 9:00~17:00 (終了しました)
場所
農業生物資源研究所 ANNEX 2階共用第3・第4会議室(茨城県つくば市観音台2-1-2
開催趣旨
生物多様性条約にうたわれているように、多様な生物遺伝資源を保全し、持続的に利用することは、今後の私たちの生活に不可欠である。一方、農業の近代化とともに、栽培される作物種の多様性、とくに品種の多様性は急速に減少している。多様性が残っているとされる発展途上国においても、伝統文化や風土に培われてきた在来品種が急速に失われ、開発に伴う環境破壊や地球温暖化などの影響もあり多くの地域で作物の近縁野生種も絶滅に瀕している。植物遺伝資源研究は単に将来の育種素材を確保するだけではなく、植物と人間の長い歴史のある相互関係を解き明かし、その相互関係の中に存在する遺伝的多様性とそれを利用する知恵を未来の世代に活かしていかねばならない。
本研究会では、近年実施したパプア・ニューギニアおよび中国における植物遺伝資源調査・探索の成果の発表のほか、各作物分野のキュレーター等から関連分野の現状や将来展望についても報告いただき、現在実施中のラオスにおける探索を効率的・効果的に進めていくための方策等、今後の植物遺伝資源の現地調査・探索の方向性について議論する。
プログラム
プログラム
9:00-9:10開会の挨拶(廣近洋彦 生物研基盤研究領域長)
9:10-10:30I. パプア・ニューギニアにおける共同調査(2004-2006)の成果(座長 石井卓朗: 作物研)
9:10-9:20パプア・ニューギニアにおける共同調査の概要(Duncan A. VAUGHAN: 生物研)
9:20-9:50パプアニューギニアにおけるマメ類(Vigna属)の遺伝資源探索調査(友岡憲彦: 生物研)
9:50-10:20パプアニューギニアにおける野生イネ(Oryza属)の遺伝資源探索調査(山中慎介: 国際農研)
10:20-10:30質疑(10分間)
10:30-10:40(休憩)
10:40-12:30II. 中国新疆ウイグル自治区における共同調査 (2004-2007) の成果(座長 長峰司: 作物研)
10:40-10:50中国新疆ウイグル自治区に分布する果樹遺伝資源の共同調査(佐藤義彦: 果樹研)
10:50-11:20新彊ウイグル自治区に分布するナシ属遺伝資源(佐藤義彦: 果樹研)
11:20-11:50中国・新彊ウイグル自治区に分布する核果類遺伝資源(山口正己: 果樹研)
11:50-12:20新疆ウイグル自治区に分布する果樹遺伝資源とそれらの保存体制(徐麟・叢花: 新彊農業科学院)
12:20-12:30質疑(10分間)
12:30-13:30昼食
13:30-16:55III. 植物遺伝資源探索の展望(座長 神代隆: 国際農研)
13:30-14:00園芸分野における研究開発と生物多様性条約(鴨川知弘: サカタのタネ)
(簡単な質疑)
14:00-14:30ラオスとインド・タミルナドゥ州における植物遺伝資源探索の展望(友岡憲彦: 生物研)
(簡単な質疑)
14:30-14:40(休憩)
14:40-16:20植物遺伝資源探索の将来構想(キュレーター等各10分)石井卓朗(作物研)、古庄雅彦(福岡県)、羽鹿牧太(作物研)、熊谷亨(作物研)、大潟直樹(作物研)、水野和彦(畜草研)、坂田好輝(野茶研)、池谷祐幸(果樹研)、小野崎隆(花卉研)、山中愼介(国際農研)
16:20-16:55総合討論(35分間)
16:55-17:00閉会の挨拶(河瀬眞琴 ジーンバンク長)
協力
北海道立十勝農業試験場、北海道農業研究センター芽室研究拠点、株式会社雪国バイオフーズ、株式会社雪国まいたけ、三冨実業株式会社

問い合わせ先

農業生物資源研究所 友岡憲彦
電話: 029-838-7474
※事前登録・参加費は不要です。お気軽にご参加ください。