在来品種データベース

「青茎(オーグチャー)」品種情報
生産地沖縄県本島の宜野湾市大山や金武町
作物名サトイモ(ミズイモ)
品種名青茎(オーグチャー)
学名Colocasia esculenta (L.) Schott var. aquatilis Rumph. ex Hassk.
現地での呼称タイモ、ターンムなど
写真芋と葉柄を使った郷土料理ドゥルワカシー ゲットウの葉で包んだ田芋ジューシー(炊き込みご飯)2019-05-27 蒸し煮にされたターンムの断面 田芋の素揚げ 田芋(ターンム)の栽培風景@金武町 収穫された田芋@金武町 田芋の茎を切り離す作業@金武町2014-12-16 親芋を切り取った地上部.これはすぐに苗として植えられる 田芋の栽培風景@宜野湾市(東海林晴哉氏撮影)2014-01-26 田芋@宜野湾市(東海林晴哉氏撮影)2014-01-26 田芋の販売形態@那覇市(東海林晴哉氏撮影)2014-01-28 蒸し煮にして販売される 田芋の子芋の販売(東海林晴哉氏撮影)2014-01-28
栽培方法

水田や湿地帯で栽培する。春(3月上旬~4月)、夏(7月上旬~8月中旬)、冬(:11月中旬~2月中旬)に定植する年3回の作付けがあり、約1年後に親芋のみを収穫し、そのときに収穫した子芋を次の種芋にする(以上、沖縄資料1参照)。

芋の一番美味しい旬は11月~2月。

品種特性

在来種の赤茎種と青(現地では白という)茎種があるが、収量の多い青(白)茎種が多く栽培されている(沖縄資料1)。

蒸し煮したターンムはホクホクだが噛んでいると粘りが出てくる。地元ではこの食感が好まれるが、グスグス(にゅるにゅる、ねっとり)する食感は好まれない。(宜野湾市大山での聞取りから)

由来・歴史熱帯アジア原産であるが、沖縄への伝来は不明。
伝統的利用法

親いもを囲むように子芋がつくので,子孫繁栄の縁起物として正月や婚礼用などの祝膳料理に使われてきた(沖縄資料1)。

親芋を蒸し煮して食べる。まきで焚くと香りが良くなる。品質の良い芋が上手に煮上がると、ワラトウミ(タームが笑っているね)といわれる、ひびが入って少し割れた状態になる。

蒸し煮したものを適当に切って素揚げにすると香りがよい。蒸し煮した親芋と茎を豚肉などの具材と一緒に炒めてだし汁で煮詰めた料理ドゥルワカシー、またそれを揚げたドゥル天、芋茎のタームジ汁は代表的な伝統料理である。

栽培・保存の現状商業的に宜野湾市や金武町で栽培されている。
消費・流通の現状生産者が品質チェックを兼ねて芋を蒸し煮にして出荷するため、生芋の流通はほとんどない。1kg1000円くらいで取引されている。
参考資料沖縄資料1:「沖縄の伝統野菜等と食材~見直そう昔からの長寿食材~」(平成18年3月、沖縄県農林水産部、沖縄県中央卸売市場)
調査日
  • 2014/1/26
  • 2014/1/28
  • 2014/12/16