在来品種データベース

「三豊なす」品種情報
生産地香川県三豊市、観音寺市一帯
作物名ナス
品種名三豊なす
学名Solanum melongena L. (ナス科)
現地での呼称みとよなす
写真三豊なすの出荷形態。皮がやわらかく、傷がつきやすいので、丁寧に個包装して出荷する2023-9-11@西讃営農センター宝山集荷場 三豊なすの圃場2023-9-11@香川県三豊市財田町 三豊なすの果実。右は600g近いサイズ2023-09-11 三豊なすの果実(倒卵形に近い形) 三豊なすの果実(洋ナシ形) 三豊なすの果実(球形) 三豊なすの花。花弁の角は7つある2023-09-11 三豊なすの草姿2023-09-11 収穫された果実(三豊なす)。縦に浅い溝が入るものが多い2023-09-11
栽培方法播種は1月下旬、つぎ木はする場合としない場合がある。定植は4月下旬~5月上旬、収穫時期は6月中・下旬~10月下旬。褐紋病対策が必要。採種は地元農家の協力により、専用ハウスで行なっている。
品種特性

晩生品種。果実の形は倒卵形~洋ナシ形で、浅い縦みぞがあり、重さが通常でも350g前後かそれ以上あり、600gを越えることもある。ヘタ下は赤紫に着色する。へたにはトゲがある。果実の生育には開花後25日程度(千両ナスは18日程度)かかるので、多くの収量を得るのも難しい。葉は大きく、葉縁は深く波打つ。草姿は立性である。

果実は生で食べることもでき、ジューシーで甘味がある。加熱すると、トロッとした食感になる。皮も果肉もやわらかいので傷が付きやすいので長距離輸送が難しい。

由来・歴史

一説には昭和初期に朝鮮半島から三豊地域の農家が持ち帰ったと言い伝えられている。特性として晩生であることや、果皮が軟らかく棚持ちがわるいため、経営栽培には向かないことから、主に家庭菜園が中心で、一部少量が地元中心に市場流通する程度であった。

平成22(2010)年、地域の伝統野菜として三豊ナスを後世に伝えていこうと、有志約30名で「三豊ナス研究会」を発足した。種子は地元で栽培されていた三豊ナスを、香川県農業試験場に依頼し再選抜した系統が、現在の「三豊なす研究会」の種子のもとになっている。

伝統的利用法焼なす、漬物(からし漬け)に向く。最近では、ナスを輪切りにしてフライパンで蒸し焼きにし、香味野菜をのせてポン酢で食べるなすステーキが定番。ナスの薄切りを酢漬けにして海苔の代わり使う手巻き寿司などの食べ方もある。
栽培・保存の現状三豊ナス研究会の生産者は20名(53a)、それ以外は13名(50a)おり、合計約1ha栽培されている(2023年現在)。
消費・流通の現状自家消費や直売所のほか、主に県内小売店向け(一部関東向け)に市場出荷もある。
継承の現状三豊ナス研究会の20名には50歳代~80歳代が含まれている。
調査日2023/9/11