「岩国赤大根」品種情報
| 生産地 | 山口県岩国市錦見 |
| 作物名 | ダイコン |
| 品種名 | 岩国赤大根 |
| 学名 | Raphanus sativus L. var. hortensis Backer (アブラナ科) |
| 現地での呼称 | いわくにあかだいこん |
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| 栽培方法 | 播種は、通常だと9月15以降、遅まきだと9月25日以降である。収穫は、通常だと12月上旬~1月中旬、遅まきだと1月上旬~2月中旬になる。 うね幅120cm、株間30cm、条間45cmを基準とし、2条植えとする。 本葉2枚のころ(播種後10日前後)、1回目の間引きを行い、2本立て、15cm間隔する。本葉4~5枚のころ(播種後15~20日ころ)、2回目の間引きを行い、株間を30cmにする。本葉7~8枚(播種後25~30日ころ)、3回目の間引きを行い、1本立てにする。追肥は1回目と2回目の間引き後に行い、土寄せも行なう。 採種親には根形がよく、根の先端まで赤く、葉の中肋が赤い個体を40個体程度選抜して相互交配して採種する。 |
| 品種特性 | 根部の外観は鮮紅色で着色は表皮のみで、内部は白色であり、根長15cm以上、根径12cm以上がよいとされ、800g程度でやや長丸型になる。大きさ、形ともに大丸聖護院に類似する。肉質は軟らかく、しまりが良い。 草型は立生で、葉柄・葉脈は鮮紅色、葉片は緑色である。葉柄はもろくて折れやすい。 播種後75日以上で収穫する晩生種で耐寒性が非常に強い。秋の気温が高いと12月中旬から抽台することがある。 |
| 由来・歴史 | 山口資料1によると、1)岩国市錦見の村田安次郎氏や千村市蔵氏が自家用に栽培していた聖護院大根の中から紅色の変異体を見つけて自家採種してきたという説と2)日清戦争に従軍した岩国市錦見の岩本氏が中国から赤大根を持ち帰り系統選抜したものという説がある。2)で昭和10年ころに現在の形質に固定されたという説が有力視されている。 昭和30年代まで錦見地区を中心に5haの作付けがあり、京都方面まで出荷されていたが、宅地化や連作障害で周辺地区へ栽培地が移動した後、昭和50年代後半には自家用栽培の数戸のみとなっていた。 平成5~6(1993~94)年ころ、山口県職員だった江本透氏が優良系統を選抜し直した。平成10年には山口県の伝統野菜として認められて徐々に復活し、錦見農業生産協同組合で優良系統選抜と種子販売に取り組み、現在に至っている。 |
| 伝統的利用法 | 辛味が少ないので、大根おろし、千切り、甘酢漬けなど、生食的な利用に適している。また表皮の鮮紅色は抜けやすいので、酢漬けにするときは天然酢(柿酢など)を使う必要がある。 皮付きで半月形に切ると紅白のかまぼこのように見えるので、昭和30年代前半までは、かまぼこの代わりに祝い事に加工され、京料理などに使われていたようである。(以上、山口資料3による) |
| 栽培・保存の現状 | 平成11(1999)年、山口県の伝統野菜掘り起こし事業に、笹川錦帯白菜と岩国紅大根が取り上げられ、錦見農業生産協同組合では、1)優良系統の選抜を継続する、2)地元特産として栽培を定着させる、3)地域全体の消費者へのPRに取り組む(学校給食提供)という3つの目標を立てて積極的に取り組んできた。 生産面積の推移は、平成13年3戸、3a→令和4年8戸、10a→令和6年5戸、8aである。 採種事業は選抜圃場から30本程度選抜し、ハウスに移植し、ミツバチによる交配を行って採種している。採種した種子は、JA、生産組合、種苗店店舗で販売している。(以上、山口資料3による) |
| 消費・流通の現状 | 1)学校給食へ提供した量は平成14年は150kgだったが、令和5年は360kgであった。 2)加工業者(うまもん商店)への販売を行っている。平成16年から毎年800本程度出荷している。 3)西岩国駅の「ふれあい交流朝市」で12月の第2土曜日に岩国赤大根の甘酢漬け試食会を行ない、11月~1月の期間に販売を実施している(岩国赤大根は300本を販売している)。 4)共同出荷による岩国市場で給食用と量販店用の販売を行なっている。平成16年は800本だったが、令和5年は1000本の販売を行った。(以上、山口資料3による) |
| 参考資料 | - 山口資料1)山口県農業試験場(2005)『やまぐちに伝わる野菜と果樹』
- 山口資料3)錦見農業生産協同組合(2025)岩国赤大根、令和7年1月6日付資料.
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| 備考 | 平成14(2002)年から毎年、小学校、中学校の各1学校で食育活動を実施している。令和3年から動画制作し、市内の小学校で試写を実施。令和4年から岩国小学校2年生を対象に校内花壇に笹川錦帯白菜と岩国紅大根を栽培し、観察、試食を毎年実施している。 |