「地かぶ」品種情報
| 生産地 | 島根県仁多郡奥出雲町の中村鑓目(やりめ)、河内、三沢(みざわ)など |
| 作物名 | カブ |
| 品種名 | 地かぶ |
| 学名 | Brassica rapa L. var. rapa (アブラナ科) |
| 現地での呼称 | じかぶ、としとりかぶ、しょうがつかぶ |
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| 栽培方法 | 畑地に自生するカブなので、播種はしない。河内ではかつてコムギ畑に生えたという。 |
| 品種特性 | 根部の太り方も地域によって異なる。鑓目は太い円錐型で、他はゴボウのような細い円錐状のものが多い。河内では丸型も混じる。また河内の葉は苦味なく、甘味やうま味がある。他は多少苦味がある。 |
| 由来・歴史 | 1735年ころに出版された「出雲国産物名疏」(島根資料1)に「地カフ」という名前がみえるので、当時から利用されていた可能性がある。 |
| 伝統的利用法 | 葉を汁物、天ぷら、おひたしにする。鑓目、河内、三沢で葉は共通に食べるが、三沢ではカブは食べない。 地カブは年神様を迎えるのになくてはならないものであった。鑓目、河内いずれも、年取りの日(12月31日)に近くに自生するカブを掘り取ってカブ汁(味噌汁)にして食べた。河内では他に、11月の「いねこぎ祝い」のときに床の間に地かぶを飾る。飾り方は一升枡の中に葉付きのかぶを逆さにいれ、葉を下敷きにして炊きたての新米を盛るのである。いねこぎは足踏み脱穀機による脱穀作業のことでこの作業を終えた祝いが「いねこぎ祝い」である。旧正月には床の間に地かぶ、三階松、ジンバソウ(海草ホンダワラの一種)、スルメを供えた。 |
| 栽培・保存の現状 | 年配の人でも特に保存のための管理はしていない。若い人は地かぶを儀礼に使ったり、年取りのときに食べたりしなくなったので、地かぶは畑や家屋周辺において邪魔な雑草という位置づけになりつつある。 三沢では宿泊施設のすぐ近くに地かぶが自生する畑があるので春は菜の花畑にしてお客さんを楽しませている。 |
| 消費・流通の現状 | 自家用のみで流通はしていない。 |
| 継承の現状 | 継承の動きはない。 |
| 参考資料 | 島根資料1)著者不明(1735、36ころ?)『出雲国産物名疏』(国立国会図書館蔵、四九九・九―I九九七)、盛永俊太郎・安田健(1987)『享保・元文諸国産物帳集成 第Ⅶ巻 隠岐・出雲・播磨・備前・備中』、科学書院、p105. |
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| 備考 | 青葉高著「野菜」に記載されている奥出雲町の自生カブ「正月カブ」は青葉高氏が中村鑓目の一農家から取材した内容であることが現地調査の結果明らかになった。 |