在来品種データベース

「平家かぶら」品種情報
生産地兵庫県美方郡香美町御崎
作物名カブ
品種名平家かぶら
学名Brassica rapa L. var. rapa
現地での呼称へいけかぶら
写真日本海を望む御崎海岸に自生する平家かぶら 平家かぶらの草姿 青首の平家かぶら 平教盛の墓
栽培方法

日本海を望む香住海岸の斜面に自生しているもので、栽培はされておらず、この地にしか育たない植物といわれている。

山崩れの発生等、地肌が露出した際に、そこから芽生えてくる。またかつて焼畑を行うと、一斉に発芽してきた。

品種特性葉は葉柄部付近に欠刻があり、表面に毛がある。集団内に形質の多様性がある。茎は紫色と緑の個体があり、根部の形態についても、肥大する個体としない個体、円すい型や丸型の個体、青首や白首の個体が混じる。
由来・歴史

地元の故・岡辻増雄さん(88歳、2012年当時)によると、1184(寿永4)年3月末、壇ノ浦の戦いに敗れた平家の武将は隠岐対馬に逃れようとしたが、強い時化に遭い、平教盛ら8名は但馬海岸に漂着した。地元のお坊さんはコムギの蒸し物を出してもてなし、ここに落ち着くことを勧めたが、食料確保が困難であったので、このカブを食べて飢えをしのいだと伝えられている。

「平家かぶら」という名前が付いたのは昭和55年にNHKの番組で紹介されたときである。

なお戦前までこの地では3町歩ほどの焼畑が行われ、ソバ、アワ、ダイコン、ムギ、ミツマタを作っていたとのことである。なお全国的に焼畑ではオオムギが栽培されることが多いが、岡辻氏からはコムギを栽培したと聞いた。

伝統的利用法若い個体は一夜漬け、葉が30cmくらいになれば、塩漬け(古漬け)にして食用にする。ジャガイモやカボチャなどと一緒に煮付けにすると独特の味わいがある。また花茎を摘み取ってお浸しにする。
栽培・保存の現状栽培はされておらず、自生しているものを利用している。
消費・流通の現状地域の一部の人が自生しているカブの花茎や葉を食用に利用している。
参考資料
  • 兵庫資料1)ひょうごの在来種保存会・編著「つながっていいく種と人 ひょうごの在来作物」
  • 兵庫資料2)ジーオインターネット放送 種とり人72 平家かぶ 語り部 岡辻増雄さん(香美町) https://www.youtube.com/watch?v=5b79RiBy4G8
調査日
  • 2012/4/5
  • 2021/1/31(電話取材)