在来品種データベース
| 生産地 | 大阪府泉州全地域または貝塚市 |
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| 作物名 | ナス |
| 品種名 | 水茄子(泉州絹皮水茄子、貝塚澤なす、馬場なす) |
| 学名 | Solanum melongena L. (ナス科) |
| 現地での呼称 | みずなす |
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| 栽培方法 | 旬は4月から10月だが、ほぼ周年栽培が可能。主な作型は2月上旬播種、4月定植、5月から8月に収穫と、10月播種、加温ハウスで育苗し、1月に定植すると3月から収穫のものである。4本仕立てにする。 泉州地方の水茄子は河川に近い水田転作畑で栽培されていた。乾燥地では収量が全く上がらない(大阪資料5)。根の肥料耐性が弱く、肥料が強すぎると新葉が萎凋または木が暴れる。トナシムなどの台木に接ぎ木にすると耐肥性は上がる。 |
| 品種特性 | 水茄子には多様な種類が含まれていることから、水茄子は一つの品種というより、いわば一つの品種群のようなものである。共通する特徴はとして次のような点を挙げることができる。「炎天下の農作業で喉の渇きを癒やした」といわれるほど、果実の水分含量が多く、生でも食べることができる。半面、生のままでは傷みやすいので、生鮮野菜としての水茄子は長距離の輸送には向かない。 泉州地域に3種類の水茄子品種がある。一つ目は 大阪の泉州全域で栽培されている「泉州絹皮水茄子」である。へた下が昔は白(緑)だったが今はやや紫がかり、果皮は黒っぽい紫である。二つ目は、貝塚市海塚で栽培される「貝塚澤茄子」と呼ばれるもので、果実は果皮に浅い縦筋が入る巾着形になる。三つ目は貝塚市馬場で栽培される「馬場なす」と呼ばれるもので、果実は中長系の形になる。 |
| 由来・歴史 | 大阪資料5および7によると、近義郷(現、貝塚市)の澤村付近が‘水茄子’の発祥地と考えられているという。中国の王禎農書(1303)年に「水茄」の記載があることに加え、今も中国には福建省の‘灯泡茄’など’のような果実水分が多いナス品種が存在することから、大阪の水茄子は同類の品種が中国から渡来して成立したと推察されている。 また2007年に泉州地域で栽培される水なすで、農協(JA大阪泉州、JAきしわだ、JA大阪泉)の規格を満たすものに対して、卵形で果皮が濃い紫の「絹皮水茄子」系を「泉州水なす」と商標登録され、ブランド化が進められた。 明治時代に泉州地域の浜一帯で泉南水茄子は栽培されていたが、昭和の初めに新潟県十全村(現、五泉市)に伝わった後、大阪府での栽培が平成10年頃には途絶えた。その後、新潟県の生産者から苗を譲り受けた貝塚市の農業者によって果皮が赤紫で花落ちが大きく、縦溝のある昔の巾着系の水茄子を、令和4年に「貝塚澤茄子」と命名し栽培が復活した(大阪資料6,7)。泉州の山側には果皮が柔らかく、水分の多い中長系の水茄子の栽培が昔からあり、「馬場なす」と平成16年に命名し栽培が復活している。 |
| 伝統的利用法 | 浅漬け。糠漬けのほか、近年はピクルスやサラダの材料としての需要が高まっている。 |
| 栽培・保存の現状 | 大阪泉州地域の栽培者の中には、4人で4000本を栽培する若い篤農家もいる。 |
| 消費・流通の現状 | 直売所、インターネットでの通信販売など。すまし汁の具材として水茄子をフリーズドライに加工することによって保存期間を延ばし、広域への流通を可能にした。 |
| 参考資料 |
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| 調査日 | 2019/7/14 |
| 備考 | 大阪府は平成17(2005)年に「なにわの伝統野菜」として認証する制度を創設し、水茄子の2品目が令和5(2023)年に「馬場なす」と「貝塚澤茄子」として認証された。 |