在来品種データベース

「不明 (サトイモ)」品種情報
生産地滋賀県野洲市三上
作物名サトイモ
品種名不明
学名Colocasia esculenta (L.) Schott (サトイモ科)
現地での呼称晩生芋(おくていも)、田芋(たいも)
写真ずいき御輿@野洲市 ずいき御輿に用いられる晩生芋
栽培方法ずいき祭りの神事当番(頭人)は種いもの確保を行う。頭人終了者から10株程度の種芋を譲り受け、3年くらいかけて良質の種芋を400~500個に増やす。4月末から5月上旬に種芋の植え付けを行う。一般用には株間30-35cmで植えるが、シュウギ(御輿の胴と屋根の四隅に使う太くてしっかりしたずいき)用には株間50cmにすることで日当たりと風通しを良くして太くて長い御輿用の葉柄(ずいき)を作る。同じ時期に御輿の町歩を飾る鶏頭の種播きも行う。10月12日に「ずいき刈り」が行われる。
品種特性草姿は直立性で、葉柄は長く鮮やかな緑色。草丈は1.2~1.5mになる。子芋は灰汁が強いが煮崩れせず、正月前後が美味しい。
由来・歴史「ずいき祭り」を行っている御上神社は718年に藤原不比等が社殿を造営したといわれている。永禄4(1561)年から秋祭りとして毎年相撲神事が行なわれ、その中でずいき御輿が奉納されてきた.「ずいき祭り」の「ずいき御輿」は,秋の収穫物を神に捧げる菓子盛り,すなわち献饌である。菓子とは木の実や草の実やそれらに準ずる野菜のことである。今日のような御輿型の菓子盛りになった時期は分からないが、享和元(1801)年の「若宮殿相撲御神事当番心得書帳」に「ずいき沢山、しん松壱本、鶏頭沢山」など今日のずいき御輿に通じる特徴が書かれていることから、この頃には今日と同様の御輿(菓子盛り)が作られていた可能性が高い。
伝統的利用法三上の「ずいき祭り」に使われる「ずいき御輿」を作るのに用いられてきた。
栽培・保存の現状三上地域を構成する東林寺、山出、大中小路、小中小路、前田の五つの集落にある、長之屋、東上座、東下座、西上座、西下座の頭人がそれぞれ一基ずつの御輿を奉納する。御輿を作るためのずいき芋(おくていも)を頭人一軒あたり400~500株を栽培する。御輿づくりには一基で約400本が必要になる。美しく大きなずいきが準備できるよう、予備に別の場所でも栽培が行なわれている。
消費・流通の現状神事用が中心で、販売はない。
継承の現状前年の頭人から当年の頭人へ種芋が受け継がれながら、地域で保存されている。
参考資料滋賀資料6)ずいき祭保存会「滋賀県選択無形民俗文化財調査報告書 三上のずいき祭」2001年3月刊。
調査日2017/10/9