在来品種データベース

「天狗なす」品種情報
生産地愛知県設楽町、東栄町、豊根村
作物名ナス
品種名天狗なす
学名Solanum melongena L. (ナス科)
現地での呼称てんぐなす、おくみかわてんぐなす、おくなす
写真ハウス栽培の天狗なす。ハウスでは果実が長くなり、紫外線がカットされるので、果皮色は淡くなる@設楽町津具2022-08-01 天狗なすの栽培@設楽町津具2022-08-01 天狗なすの露地栽培@設楽町津具2022-08-01 極たまに鼻のような突起が出るので天狗なすとよばれるが、出る頻度は極めて低い 露地栽培の天狗なす果実。太く短くなり、色は濃い紫である@設楽町津具2022-08-01
栽培方法

かつては自家採種したが、現在はトルバムにつぎ木したセル苗を3月中旬に購入し、ポットに鉢上げして育苗する。ハウス栽培と露地栽培があるが、定植はいずれも4月下旬~5月初めころ。ハウス栽培は6月末ころ~10月ころまで収穫。露地栽培では7月下旬から9月ころ、霜が降りるまで収穫できる。

採種する場合は2,3段目の果実を使い、黄色になるまで樹上で完熟させる。

品種特性果実は400~700gと大型である。ハウス栽培だと、果実は長形、へた色は緑と紫が混じり、果皮は薄紫色になる。露地栽培だと、果実は太く短くなり、へたも果皮も濃い紫色になる。ハウス、露地いずれも、果皮は薄く、果肉は軟らかく、水分を多く含んでおり、焼くのが最も美味しい(愛知資料1)。ごくたまに天狗の鼻状の突起がヘタの下部にできる奇形果が発生することから「天狗なす」の呼称がついた。宮崎県の在来品種、佐土原に類似。
由来・歴史詳細な由来は不明である。愛知県の北東部、奥三河と呼ばれる北設楽郡設楽町津具地域で昭和の戦前から栽培されてきた。(愛知資料1と8)
伝統的利用法「おくなす」と呼ばれ、お盆に帰省した客に食べさせると喜ばれた。焼きナス(炭の上で丸焼き)、ソテー(フライパンでステーキ)、揚げだしなど。大葉、チーズ、ベーコンをはさんで揚げるのも美味しい。
栽培・保存の現状「奥三河天狗なす保存会」が中心になって7軒くらいが栽培している。
消費・流通の現状愛知県名古屋市、静岡県浜松市方面に市場出荷するほか、農協の産直や道の駅でも販売している。
参考資料
  • 愛知資料1)あいちの伝統野菜 見てみよう・育ててみよう・食べてみよう(愛知県平成25年1月作成)
  • 愛知資料8)設楽町の歴史・文化・自然に触れる「したらんトレイル」ホームページ 設楽の案内人 Vol.4 「奥三河天狗なす保存会」会長佐々木富子さん http://www.shitara-trail.jp/guide/vol_04/ (2024年2月28日確認)
調査日
  • 2014/2/6
  • 2022/8/1
備考本品種は愛知県が認定する「あいちの伝統野菜」の一つである(愛知資料1)。