在来品種データベース

「金太もち」品種情報
生産地静岡県静岡市葵区岳美、駿河区大谷、焼津市
作物名モチイネ
品種名金太もち
学名Oryza sativa L. Glutinosa group (イネ科)
現地での呼称きんたもち
写真金太もちの栽培風景(花森功仁子氏提供) 金太もちの玄米と籾花森功仁子氏提供) 金太もちの穂(花森功仁子氏提供) 金太モチの草姿(花森功仁子氏提供)
栽培方法5月20日頃田植え、10月中旬に収穫。
品種特性

品種の中に稈長、出穂期、芒の有無の変異が見られる。稈長は90cm以上、出穂期は9月10日前後、収量は580kg/10a程度。(以上、静岡資料8)

晩生で倒伏しやすいが、餅の芳ばしい香りと伸びが良く食味が良いのが特徴。餅の色は黄色みを帯びる。

由来・歴史昭和20年代、静岡市清水区吉川で伴野金太氏が畑に生えていた稲穂をみつけて水田で栽培を開始。その後県内全域に作付けされ、奨励品種にもなっていた。
伝統的利用法新築の餅まきや寺の行事、おこわ、正月などに利用。現在は正月や節句に餅の依頼が多い。幹長が長いため、正月飾りや結界に用いられた。牛農家は藁が長いため1玉が大きくできるので、以前は飼料に用いていた。
栽培・保存の現状

栽培者は青木嘉孝氏ほか青年部、焼津の小畑幸治氏(無農薬栽培)。当初は不耕作地の対策としてJA青年部が金太モチを栽培したが、昭和・平成と栽培は衰退した。その理由として、以下のような原因がある。

1)晩稲のため鳥害を受けやすい。2)稈長が長いため倒伏しやすく、新品種がでてきた。

3)餅の消費量の減少(行事や餅まき、自宅での餅つきがなくなった)、4)モチ米の価格が安定しない。(現状はウルチと同額で直売)、5)正月飾りや飼料など藁の利用の減少

6)コンタミ(混入)の問題、などである。

消費・流通の現状正月用やひな祭り用として自家用に利用するほか、親戚、近隣に臼で年間80回ついた餅を配る農家、農協祭でモチ米や餅として販売する農家、「こだわりの味」協同組合で販売する農家などがある。
参考資料静岡資料8)浅井辰夫(2017)「金太もち」に関する栽培試験:松浦直毅(代表)「教育への活用を通じた静岡県の在来作物の保全と継承に関する総合的研究」(公益社団法人ふじのくに地域・大学コンソーシアム平成28年度共同研究事業実績報告書)
調査日
  • 2014/6/28
  • 2022/11/3(メール取材)