在来品種データベース

「高原山椒」品種情報
生産地岐阜県高山市
作物名サンショウ
品種名高原山椒
学名Zanthoxylum piperitum DC.
現地での呼称さんしょ、たかはらさんしょ
写真高原山椒の園地2021-12-9@(有)飛騨山椒 高原山椒の園地風景(写真は岡田山椒園提供) 高原山椒の果実(写真は岡田山椒園提供) 高原山椒の樹姿(写真は岡田山椒園提供)
栽培方法湿度の低い標高800m、水はけのよい扇状地の東向きの斜面で栽培する。春に窒素肥料として、鶏糞と牛厩肥を入れる。
品種特性

代々にわたって地域に自生する香りの強い個体を選抜し、つぎ木によって増殖されてきた地域独特の優良系統である。

主に実サンショを利用する。他地域のサンショはリモネンが多いのに対し、高原山椒はリモネンよりもペパーミント様の芳香成分βフェランドレンを多く含み(参考資料7)、爽やかな柑橘の香りの中に甘い香りがある。乾燥させて1年くらいは香りが持つのも高原山椒の特徴である。香りだけでなく、辛さ、しびれのバランスもよい。未熟果の青山椒は辛味、完熟果の赤山椒は香りを楽しめる。

由来・歴史延享年間(1744~48年)に第七代飛騨郡代の長谷川忠崇が著した『飛州志』には産物として山椒が記されているので、少なくともこの時代にはすでに栽培されていた可能性がある。
伝統的利用法出荷が中心だったため、地元の伝統的な山椒の食文化はない。
栽培・保存の現状各事業体の他に高原山椒の生産組合員が2団体40~50人いて、年間10t程度の生産量があったが、生産量の減少により1組合が解散している(2024年3月現在)。
消費・流通の現状高原山椒は、「飛騨山椒」として主に関東、地元の有限会社「飛騨山椒」直営店、道の駅、飛騨高山の産品セレクトショップ「まるっとプラザ」、飛騨物産館、三川屋、 スーパー駿河屋、通信販売などに流通している。また「高原山椒」として京都や大阪方面にも販売されている。
参考資料
  • 岐阜資料6)長谷川忠崇(1744-48)「飛州志」.盛永俊太郎・安田健編(1987)『享保・元文諸国産物帳集成・第1期・第5巻 飛騨・近江・伊勢:摂津・河内・和泉』(科学書院)p.18.
  • 岐阜資料7)中島美幸・坂井至道(2009)「サンショウ栽培品種(タカハラサンショウ、アサクラサンショウ・ブドウサンショウ)の成分比較研究」、岐阜圏森林研究所研究報告第38号:1-10.
調査日2021/12/9