在来品種データベース

「国府なす」品種情報
生産地岐阜県高山市国府町
作物名ナス
品種名国府なす
学名Solanum melongena L. (ナス科)
現地での呼称こくふなす
写真国府なすの果実。しばしば果実上部に突起が出るのが特徴 国府なすの栽培風景@高山市国府町三川 国府なすの花。花弁の角は7つである@高山市国府町三日町 国府なすの草姿@高山市国府町三日町 国府なすの葉の形態@高山市国府町三日町
栽培方法3月上旬温床に播種。6月に定植。収穫は8月上旬~10月下旬。販売されている苗を利用する人は、5月20日過ぎに定植し7月下旬~10月に収穫する。
品種特性果実の外皮は薄く薄紫色で果肉は柔らかく加熱するととろけるようになる。甘味と独特の風味がある。現在の果実上部のへた付近に突起が出やすいことや、果肉がやわらかい点などは、宮崎県の在来品種「佐土原なす」や愛知県北設楽郡設楽町の「天狗なす」にも類似している。
由来・歴史現在は高山市金桶を中心に栽培されているが、江戸末期の飛騨國の村ごとの地誌を記した『斐太後風土記 巻十 吉城郡広瀬郷』(岐阜資料8)には、金桶村に隣接する糠塚村の産物として「なす」が記されている。各農家で代々伝承され、昭和に入って国府なすと呼ばれるようになり、現在に至っている。
伝統的利用法

焼きナス。果実を皮ごと丸焼きにし、へたを落として縦に一筋皮を剥き、箸などで縦に切れ目を入れ、そこに油と味噌を注いでもう一度焼く。

ごちそうとして、焼きナス一本をまるごと食べる食文化がある。

栽培・保存の現状生産農家で結成した、国府なす研究会の6名が国府町金桶地区、三川地区、三日町地区などで栽培・保存している。
消費・流通の現状

飛騨高山宮川朝市、地元直売所、高山市内のスーパー、岐阜市内ホテルの料理

ネットや電話注文による直販を行っている。

継承の現状うち2軒の農家は、家庭菜園用の苗も販売している。それぞれの農家が自家採種しながら栽培をしている。
参考資料岐阜資料8)富田礼彦(1873)「斐太後風土記」.安田健編(2000)『享保・元文諸国産物帳集成・第2期・第Ⅷ巻 飛騨・山城・紀伊』(科学書院)、p.68-69.
調査日
  • 2015/10/17
  • 2024/2/20