「野沢菜」品種情報
| 生産地 | 長野県野沢温泉村 |
| 作物名 | ツケナ |
| 品種名 | 野沢菜 |
| 学名 | Brassica rapa L. (アブラナ科) |
| 現地での呼称 | のざわな |
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| 栽培方法 | かつては「七夜盆」と呼ばれる8月27~28日ころに播種したが、近年は気温が高すぎるので、9月8~9日の祭りより少し前に播種する。山間地でも平地でも涼しくなる時期を見計らって、播種時期を選ぶ。播種間隔は、かつては足のつま先からかかとまでくらいの間隔だったが、温暖化の進んだ近年は手のひらを広げた親指の先から小指の先までくらいの間隔でつぼまきにする。播種後5,6日で一番間引き、以後10月中旬まで状況をみながら数回間引いて、最終的に1本にする。収穫は11月上旬から12月上旬ころで大きさは1mになる。アブラナ科野菜は一般に連作障害が起きやすいので、かつてはジャガイモと野沢菜を輪作することもあった。 採種は健命寺の屋敷畑が野沢菜の原種圃とされ、採種用の親株の株間に石灰窒素、鶏糞、米ぬか、干し草を入れている。茎の基部や胚軸後上部が白色と紫色のもの、茎が丸茎と平茎のものがあるが、昔はカブが大きくて紫、丸茎の個体を優先して残すようにしていた。 |
| 品種特性 | 葉身はびわの形で光沢があり、葉縁の切れ込みは中程度で葉面の波打ちはほとんど無く、無毛で葉色はやや濃い緑で、5割程度にアントシアニンの色素を呈する。根部の多くは短円錐型であるが、中には扁円型のものも観察される。抽根部は赤紫色の色素が発現するものと、発現せずに白色のものが分離する。 |
| 由来・歴史 | 宝暦年間(1751-1763)に、健命寺の八世住職であった晃天園瑞和尚が京都遊学の折に、京都・大阪近辺で天王寺蕪の種を持ち帰り栽培したのが始まりという言い伝えがある。 |
| 伝統的利用法 | 大半は野沢菜(お葉)漬けに利用する。伝統的な漬け方は水と塩とトウガラシで漬ける。 これをみそ汁の実や煮物、おやき・あんぼの具として利用した。 また播種後5,6日の「一番間引き」を村の中にある温泉を利用した共同の食品加熱場「麻釜(おがま)」で茹でて食べた。地元では「鯛の刺身よりうまい」といって初物を珍重したという。 また4月下旬から出てくる花茎もお浸しにして食べる。 |
| 栽培・保存の現状 | 長野県内で栽培されるツケナ生産量は2万8千t(平成28年度データ、‘野沢菜’以外も含む)で、このうち野沢温泉村で販売出荷・自家用を含めても170t程度。県内ツケナ生産量の1%にも満たない。村内で販売出荷している生産者は13名である。 |
| 消費・流通の現状 | 野沢温泉村の‘野沢菜’はスキーに訪れた民宿客や家庭用に利用されている。また、収穫時は地元の直売所でも店頭に並ぶ。 |
| 継承の現状 | 高齢化により野沢菜農家は減少している。伝統継承のため、野沢菜栽培出荷用に限り村の補助事業として農家を支援している。 |
| 参考資料 | - 長野資料1)大井美知男・市川建夫著(2011)「地域を照らす伝統作物 信州の伝統野菜・穀物と山の幸」、川辺書林
- 長野資料2)野沢菜(おはづけ)1990年10月16日 第一版発行 編者 銀河書房 発行者 蒲昌志
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| 備考 | 長野県では2006(平成18)年に「信州伝統野菜認定制度」を創設し、79種類(2021年2月12日時点)の伝統野菜が認定されている。本品種も信州の伝統野菜の一つである。 |