「下栗芋」品種情報
| 生産地 | 長野県飯田市下栗 |
| 作物名 | ジャガイモ |
| 品種名 | 下栗芋 |
| 学名 | Solanum tuberosum L. (ナス科) |
| 現地での呼称 | しもぐりいも、白いも、おくいも |
| 写真 |  |
| 栽培方法 | 3月下旬~4月上旬植付、7月下旬~8月上旬に収穫。 下栗は斜度が10~40度になる急傾斜地で年間降水量が2000mmに達する多雨地域であるにも関わらず、畑の土の流亡がなく、永続的に農業が営まれてきた。 その理由として、1mm以上の粗粒の多い土が雨水の衝撃を分散すること、土地の境界や勾配が変わるところに茶を栽培したり、「ヨセ」と呼ばれる板などを用いた土留を設置したり、「逆さうない」と呼ばれる、体を斜面の下に向けて土を下から上に持ち上げながら鍬で耕耘する方法をとったりすることが挙げられるとしている。(長野資料1) |
| 品種特性 | 芋の皮色は黄白色、肉色は白の中生種。30~100gの子芋が約20個/株とれる。田楽に使う30~40gが好まれる。花色は赤紫、幼芽色は青紫色、種芋から発生する茎数は10~15本と多い。(長野資料1) |
| 由来・歴史 | 長野資料1および2によると、日本にジャガイモが伝わったのは1603(慶長8)年で、オランダから長崎の出島に入り、出島とその周辺でしばらく栽培が続いた。1764~1780(安永3~9)年ころ、甲斐国(甲州)の代官、中井清太夫が前任地の九州からジャガイモを取り寄せ、本州初の甲州で栽培を奨励し、人々を飢饉から救ったといわれている。 この芋は「甲州いも」とよばれて飛騨・信濃・越後に広まった。信濃には1785(天明5)年にはすでに伝来しており、少なくとも1889~1890(明治22~23)年に「二度いも」と呼ばれるジャガイモ品種が導入されるまでは栽培されていた。昭和18(1943)年ころ下栗地域で栽培されていた「昔いも」というジャガイモは、昔から信州で栽培されてきた「甲州いも」の可能性があるといい、それが現在の下栗芋(白いも、おくいもとも呼称)につながっていると考えられている(長野資料2)。 |
| 伝統的利用法 | 芋を串に刺し、エゴマのたれをぬっていろり火で焼く「芋田楽」にする(平成13年長野県無形文化財)。 |
| 栽培・保存の現状 | 53戸が栽培。平成17年~22年の事業でウイルスフリー化した。(長野資料1) |
| 消費・流通の現状 | 地元の民宿、ロッジやレストランなど。(長野資料1) |
| 参考資料 | - 長野資料1)大井美知男・市川建夫著(2011)「地域を照らす伝統作物 信州の伝統野菜・穀物と山の幸」、川辺書林
- 長野資料2)下栗 里の会(2016)『下栗いも 歴史と現在 これまでの取り組みと継続的な栽培に向けて』
|
| 調査日 | 2013/8/20 |
| 備考 | 長野県では2006(平成18)年に「信州伝統野菜認定制度」を創設し、79種類(2021年2月12日時点)の伝統野菜が認定されている。本品種も信州の伝統野菜の一つである。 |