在来品種データベース

「河内赤カブ」品種情報
生産地福井県福井市(旧美山町)味見河内
作物名カブ
品種名河内赤カブ
学名Brassica rapa L. var. rapa (アブラナ科)
現地での呼称こうちあかかぶら
写真焼畑の火入れ後、灰を土にすき込む2007-8-5 焼畑の火入れ後に種子を播く2007-8-5 かぶら売り風景(1932(昭和7)年)(2007年8月5日上味見河内公民館に許可を得て公開) かぶらの甘酢漬け(写真は上味見河内の清水氏提供) 収穫された河内赤かぶら(写真は上味見河内の清水氏提供) 河内赤かぶらの収穫(写真は上味見河内の清水氏提供) 焼畑の火入れ2022年8月11日(写真は上味見河内の清水氏提供) 赤かぶらの川洗い(写真は上味見河内の清水氏提供) 野刈り河内赤かぶらは焼畑で栽培する。その火入れに使う草木の刈払いである(写真は上味見河内の清水氏提供) 間引き作業(写真は上味見河内の清水氏提供) 隔離されたハウスにミツバチを放って採種する(写真は上味見河内の清水氏提供)
栽培方法

焼畑で栽培されてきたが、近年は平地の水田転作畑での栽培も行われるようになった。

焼畑は「なぎ畑」とよばれ、7月下旬に雑草や灌木を刈払い、乾燥させ、8月上旬に火入れを行う。火入れは斜面の上方から下方へ火を下ろす。播種は火入れの余熱があるうちに行う。間引きは数回。収穫は10月20日ころ。カブの直径が8cm程度になったものから収穫する。

昭和30年代頃まではカブーアズキ・ダイズーヒエ・キビ・アワーソバの5年輪作が行われていた。現在はカブを1年作付けするのみである。

採種親の選抜基準はカブの形が扁円で鮮紅色、首と尻のしまりが良く、葉の欠刻が少なく、滑葉で毛があり、茎の付け根が赤いものを優良個体とする。それらを採種専用ハウスに定植して、翌春、隔離開花させて採種する。

品種特性200~250g程度の扁平な丸い赤カブ。カブの肥大は緩慢で播種から収穫まで2ヶ月程度を要する。味はほろ苦さの中に、甘味と辛味がある。肉質は硬い。
由来・歴史

平家の落人が聖徳太子自作の尊像(重要文化財・当集落の「聖徳寺」に保存)をいただいてこの集落に住み着き、平家の証として「赤き洌き蕪の種を残さむ」とこの地に種子を播いて栽培技術を伝えたといわれている。

古くは大野市の朝市に独特の荷姿で人が背負って出荷された。

伝統的利用法甘酢漬け、麹漬け、糠漬けといった漬物のほか、汁の実にも用いられる。
栽培・保存の現状2024年3月現在、栽培面積は1ha、焼畑栽培農家2戸。2011年の情報では、栽培面積2.3ha、生産者数20戸(福井資料1)。
参考資料
  • 福井資料1)「伝統の福井野菜」流通・消費対策について(平成23年1月11日付)
  • 福井資料2)ふるさとやさいの会編「ふくいの伝統野菜」(1998年、福井新聞社発行)
調査日2007/8/5
備考生産者、流通業者、自治体で組織された「伝統の福井野菜振興協議会」が平成23(2011)年に設立され、5年間程度、PR、生産・消費拡大、ブランド化を支援していた。