在来品種データベース

「大崎菜」品種情報
生産地新潟県南魚沼市
作物名クキタチナ
品種名大崎菜
学名Brassica napus L. (?) (アブラナ科)
現地での呼称おおさきな
写真若い大崎菜の草姿 大崎菜の草姿(農家1)大崎菜は農家による草姿の変異が大きい 大崎菜の葉の表面の毛(農家1) 大崎菜の草姿(農家2、丸葉、草丈小、無毛) 大崎菜の草姿(農家3、長葉) 大崎菜の花茎(農家3、葉を1枚除去) 大崎菜の葉の表面の毛(農家3) 大崎菜と油揚げの煮浸し
栽培方法

冬期の野菜が不足しがちな豪雪地帯でありながら八海山のふもとの湧水が豊富に得られる地の利を生かし、かつては湧水を畑やハウス周囲に回して融雪しながら栽培する水掛菜として栽培されてきた。

現在は、一部農家はユリの切り花生産用の鉄骨ハウスなどを冬期に有効利用して栽培するようになり、水をかけずに栽培する例もでてきた。

9月中下旬に播種。10月下旬に移植。12月下旬~4月上旬に収穫。12月下旬に下葉をかき、1月中旬までに「一番とう」と呼ばれる主茎を、収穫用具「つめ」や「へら」で収穫する。2月に「二番とう」と呼ばれる側枝、3月に「三番とう」とよばれる側枝を収穫する。収穫のメインは「二番とう」である。

品種特性ほろ苦さと甘味があるのが特徴。分げつ性は強い。葉は光沢があり、表面に毛がある。大崎菜は形質に多様性があり、早晩性によって葉形が異なる傾向がある。早生系統は、葉が細長く、葉色がやや淡く、葉肉は薄い。晩生系統は丸葉で葉色が濃く、肉厚である。
由来・歴史大崎菜の伝来にはいくつかの説がある。元・新潟県園芸試験場参事の瀬古龍雄氏は「野沢菜」起源説、栃木県日光市「不氷菜」起源説、京都「壬生菜」起源説を紹介している(新潟資料3)。また元・新潟県園芸試験場育種科長の小田切文朗氏はさらに、寛文のころ(1661~1673)「白蕪菜の中から特異なるもの」(カブが肥大しないもの)を発見して栽培したのが始まりという説も紹介し、本格的な出荷拡大と生産組合の結成は1900(明治33)年であると述べている(新潟資料4)。
伝統的利用法煮浸し。
栽培・保存の現状共同の採種は行っておらず、農家ごとの自家採種を行なっている。生産組織として「JAみなみ魚沼青菜部会」がある。他に個人出荷も行なわれている。
消費・流通の現状消費エリアが見附市を境界にして、新潟市を含む北部は女池菜、南部は大崎菜を食べる傾向にある。「大崎菜」は商標登録されている。販売は南魚沼市内スーパーほか、産地直売所「あぐりぱーく八色」、「四季味わい館」(道の駅南魚沼「雪明かり」内)など。
参考資料
  • 新潟資料3)瀬古龍雄(2002)「新潟県・大崎菜」.『地方野菜大全』農文協.
  • 新潟資料4)小田切文朗(2020)「新潟県の秋冬期在来アブラナ科野菜とその特性」.にいがた在来作物研究集会2020年10月24日(会場:新潟市アグリパーク)資料.
調査日
  • 2020/10/24
  • 2024/2/12