在来品種データベース

「五畳敷芋」品種情報
生産地福島県河沼郡柳津町五畳敷
作物名サトイモ
品種名五畳敷芋
学名Colocasia esculenta (L.) Schott
現地での呼称ごじょうじきいも
写真五畳敷芋の子芋の煮物 五畳敷芋の孫芋の素茹で 五畳敷芋の草姿 五畳敷芋の親芋と子芋 五畳敷芋の親芋の煮物 子・孫芋は粘りが強く火の通りも早い 孫芋は細長く地上に向かって伸びる
栽培方法5月初めに種芋にワラをのせ、ビニールをかぶせて芽出しを行い、6月、本葉が1枚でたころ(つのが出たくらい)に畑に定植する。収穫は10月中旬ころに行う。
品種特性

葉脈が明瞭で、葉縁部は少し波打ち、葉柄と葉の接合部に赤いアントシアニンの発色がある。孫芋は地上へ向かって細長く伸びる特徴がある。

芋は火の通りが早く15分くらいで煮える。親芋はクリのような風味とねっとりした食感がある。子芋、孫芋は粘りが強くもちもちした食感があり、非常に美味である。

由来・歴史柳津町五畳敷で栽培されてきた芋である。1665(寛文五)年の「稲河領牛沢組郷村万改帳」には柳津村の作目に芋(宜)とあるので、当時すでに良質のサトイモの産地であった(福島資料7)が、五畳敷芋は当時から伝わる芋の可能性もある。山形県寒河江市島字皿沼に「子姫芋」という在来品種があるが、子姫芋は1840-1860年ころに会津の種子屋から種芋を取り寄せて栽培したのが始まりと伝えられている。「子姫芋」と奥会津に位置する「五畳敷芋」の来歴や遺伝的類縁関係は不明であるが、形態や食味特性は「子姫芋」と極似している。
伝統的利用法親芋をゆでて甘味噌を付けて食べる。子芋・孫芋は塩ゆでにする。ごぼう、だいこん、厚揚げなどと一緒に煮物にする。きのこ山(ナメコ、マイタケ、豚肉に醤油も加えた味噌仕立ての芋煮)。干した芋茎はだいこんと一緒に油炒め、あるいは納豆汁の具材にする。当地では、単独で煮付けたり、汁物に入れるなど、冬季には欠かせない食材である。
栽培・保存の現状柳津町西山の1軒の農家で守られてきた。
消費・流通の現状自家用のみ。
継承の現状後継者は不在である。
参考資料福島資料7:「稲河領牛沢組郷村万改帳」(庄司吉之助編(1979-80)『会津風土記・風俗帳』)を収録した安田健編(1998)『江戸後期諸国産物帳集成第Ⅱ期第Ⅲ巻』(科学書院)
調査日2022/10/19