在来品種データベース

「立川ごぼう(あざみ葉ごぼう)」品種情報
生産地福島県河沼郡会津坂下町立川
作物名ゴボウ
品種名立川ごぼう(あざみ葉ごぼう)
学名Arctium lappa L. (キク科)
現地での呼称たちかわごぼう
写真幼苗の葉は鋸歯が明瞭ではない 立川ごぼう 立川ごぼうの採種風景 立川ごぼうの栽培風景 立川ごぼうの葉は鋸歯が明瞭である(あざみ葉) 立川ごぼうの選抜された母本
栽培方法

福島県河沼郡会津坂下町立川地区周辺は阿賀川や日橋川などに囲まれた洪水地帯であったが、立川地区のみ作土が2m以上ある石のない粘土質の土壌である。ここではゴボウの他、ニンジン、ナガイモなども栽培されている。

4月下旬~5月上旬に播種(散播)。10月末収穫。病気が出るので、4-5年の輪作を行っている。

採種母本を選抜し、下40cmくらい切って秋に植える。7月頃に開花する。

品種特性

一般のゴボウの葉には鋸歯がなく丸葉であるが、この立川ごぼうには明瞭な鋸歯がある。このような葉を持つゴボウは一般にアザミバゴボウと呼ばれている。

香りが高く、す入りは少なく、肉質は軟らかで食味が良い。あく抜きも不要で使いやすい。ただし収量が他品種に比べて少ない。(福島資料4-6)

由来・歴史

来歴は不明であるが、岩崎常正の『本草図譜』(1828)に立川ごぼうにそっくりなオロシアゴボウの図があり、「この種近年ロシアより来る云々」と説明している(福島資料6)ので、この立川ごぼうもそのような系統の可能性もある。

明治末から大正初期には栽培面積が現在(1981)よりも広く、昭和初期には東京や大阪にも出荷したとある(福島資料6)

伝統的利用法きんぴら。煮物(ごんぼけんちん)。つゆもちの具(ささがきごぼう、鶏肉、もち、そばのつゆ)。
栽培・保存の現状数軒の農家が栽培している。
消費・流通の現状

立川ごぼう祭りで生のゴボウを販売していたが、コロナ禍のため中止している(2021年ヒアリング)。

ゴボウ茶や炊き込みご飯の素などの加工品も生産している。

継承の現状会津農林高等学校が栽培普及に取り組んでいる。会津農林高校では、1)農書「会津農書」(1684)を参考にしながら会津伝統野菜の栽培方法を確立する。2)シードバンクとしての活動。会津伝統野菜の苗も販売する。3)食育活動、4)販売とPR活動、5)消費者との交流を行っている。
参考資料
調査日2021/11/19
備考2002(平成14)年に発足した「会津伝統野菜を守る会」(会長:片平忠秀氏)が選定した20品目の1つ。「人と種をつなぐ会津伝統野菜」(代表:長谷川純一氏)が会津伝統野菜の栽培と販売、他業種との連携、地元高校や中学校など教育機関、コミュニティセンターでの栽培指導を通じて会津伝統野菜の普及・保存活動を行っている(2019年に日本農業賞食の架け橋部門で優秀賞を受賞)。