在来品種データベース

「むすめきたか」品種情報
生産地福島県いわき市三和町、江畑町ほか
作物名アズキ
品種名むすめきたか
学名Vigna angularis (Willd.) Ohwi et Ohashi var. angularis (マメ科)
現地での呼称むすめきたか
写真むすめきたかの完熟莢【写真はいわき市提供】 むすめきたかの未熟莢【写真はいわき市提供】 むすめきたかの栽培現場【写真はいわき市提供】 むすめきたかの種子(近接)【写真はいわき市提供】 むすめきたかの葉【写真はいわき市提供】
栽培方法播種は6月10日ころ。6月末に定植。草丈が15~20cmに成長したころに1回目、7月中旬に2回目の土寄せを追肥とともに行なう。莢が茶色になり、黒みをおびてきたころに収穫する(福島資料1)
品種特性

「むすめきたか」は、嫁に行った娘が里帰りしてきたときに、顔を見てから煮始めてもすぐに火が通って食べさせることができる、つまり通常のアズキの半分ほどの時間で煮ることができる品種特性を表現した名称である。

粒の大きさは5mm前後。豆の紋様にも特徴があり、三和町の豆はクリーム色地に赤褐色のまだら模様である。一般的には姉子(あねご)とか、「姉子小豆(あねっこしょうず)」とも呼ばれる。

江畑町にも同名の「むすめきたか」というアズキがあるが、種皮は黒っぽい灰色でツルアズキの一種である。このアズキのことを他地域では「ダニかす」と呼ぶこともある。種皮が薄く、早く煮える特徴は三和町のものと同様である(福島資料1)

由来・歴史由来は不明である。
伝統的利用法赤色部が少ないので、赤飯にはあまり使われない。おはぎなどに使う餡に加工すると上品な色に仕上がる(福島資料1)
栽培・保存の現状三和町を中心に市内各地の農家のほか、いわき昔野菜保存会のメンバーが栽培している
消費・流通の現状直売所やレストランなどのほか、饅頭の餡にも使用され、販売されている。
継承の現状農家およびいわき昔野菜保存会が種子の保存と栽培の普及を行っている。また地元農家の協力により、2018年より地元の三和小学校において「むすめきたか」の栽培から収穫までの体験学習や餡を使ったスイーツなどの調理体験が行われているほか、2021年より、磐城農業高等学校と連携した栽培実習により、種子の保存継承を行っている。
参考資料福島資料1:『いわき昔野菜図譜』(2011)、『いわき昔野菜図譜 其の参』(2013)(いわき市農林水産部農業振興課発行、いわきリエゾンオフィス企業組合編)
調査日
  • 2021/12/2
  • 2024/2/20
備考

いわきリエゾンオフィスが2010年からいわき市の委託を受け、「伝統農作物アーカイブ事業」を行い、いわき市内の在来品種を訪ね歩いて網羅的に調査し、約70品目の在来品種を「いわき昔野菜図譜」シリーズ(本編3巻+レシピ3巻)にまとめており、いわき市公式ホームページにある関連リンクからダウンロード可能である。

https://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1615547586192/index.html

2015年4月18日に「いわき昔野菜保存会」が発足し、市民へいわき昔野菜の種子や栽培方法,食べ方の普及等を行っている。