在来品種データベース

「不明 (エゴマ)」品種情報
生産地福島県いわき市三和町、田人町、大久町大久
作物名エゴマ
品種名不明
学名Perilla frutescens (L.) Britton var. frutescens (シソ科)
現地での呼称じゅうねん
写真じゅうねんの栽培現場【写真はいわき市提供】 じゅうねんの開花期の穂【写真はいわき市提供】 じゅうねん(近接)【写真はいわき市提供】 じゅうねんの完熟期の穂【写真はいわき市提供】
栽培方法

播種は5月中旬~6月上旬。種子量は50~100g/10aで、水稲用育苗箱に催芽した種子を5cm間隔の条播きにする。定植は本葉が2段になったころまたは草丈が15cm程度になったころ、6月下旬~7月上旬に行なう。7~8月に中耕・培土を2回程度行なう。

収穫は10月中旬~11月中旬ころ(開花開始から約30日、下位葉が黄変し実はまだ緑色のころ)に刈り取り、5~10本を束ねて1週間前後天日干しにする。穂が茶色になったら、ブルーシートのうえで棒などでたたいて実を落とす。

落とした実はふるいや唐箕にかけてゴミを除去し、大きめのバケツに水を張って手早く洗う。小石は沈み、じゅうねんの実は浮くのでザルですくい、3、4回ほど水を替えて洗った後、乾燥させる(福島資料1)

品種特性エゴマには種皮色が白と黒があり、一般的に白は多収、黒は油分含量が多い傾向にある。大久町では黒が栽培されている
由来・歴史福島県のエゴマ栽培は国内でも有数である。三和町や田人町ではゴマは作らないという習わしがある。標高の高い山間地ではゴマの栽培に適さないことも一因だと考えられる。いわき市内では白じゅうねんと黒じゅうねんの両方の系統がみられるが、白じゅうねんの栽培の歴史は明治時代以前まで遡るといわれている(福島資料1)
伝統的利用法煎ってすりつぶし、砂糖、醤油、味噌などで「じゅうねん味噌」を作り、和え物や麺類のつけ汁に利用する。また味噌を入れないタレで餅とからめた「じゅうねん餅」を作る(福島資料1)
栽培・保存の現状

栽培に手間がかかるので、栽培者は年々減っている。

大久町大久では2016(平成28)年に「大久じゅうねん保存会」を結成し、2021年現在、会員は6名いる。世代を超えて栽培している農家は2、3戸。

消費・流通の現状主にJA関連の加工所に委託して油を絞ってもらっている。また学校給食の和え物としても利用されているほか、ドレッシングやエゴマ油として加工・販売されている。
継承の現状

いわき昔野菜保存会が種子の保存と栽培の普及を行っている。

また大久じゅうねん保存会では、2017年より、地元のいわき市立久之浜第二小学校において、じゅうねんの栽培から収穫、販売までの体験学習やぼたもち、焼き肉のタレなどの調理体験を支援するほか、2021年より、磐城農業高等学校と連携した栽培実習により、種子の保存継承を行っている。

参考資料福島資料1:『いわき昔野菜図譜』(2011)(いわき市農林水産部農業振興課発行、いわきリエゾンオフィス企業組合編)
調査日
  • 2021/12/2
  • 2024/2/20
備考

いわきリエゾンオフィスが2010年からいわき市の委託を受け、「伝統農作物アーカイブ事業」を行い、いわき市内の在来品種を訪ね歩いて網羅的に調査し、約70品目の在来品種を「いわき昔野菜図譜」シリーズ(本編3巻+レシピ3巻)にまとめており、いわき市公式ホームページにある関連リンクからダウンロード可能である。

https://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1615547586192/index.html

2015年4月18日に「いわき昔野菜保存会」が発足し、市民へいわき昔野菜の種子や栽培方法,食べ方の普及等を行っている。