在来品種データベース

「いわき一本太ねぎ」品種情報
生産地福島県いわき市平北白土など
作物名ネギ
品種名いわき一本太ねぎ
学名Allium fistulosum L.
現地での呼称いわきいっぽんふとねぎ
写真いわき一本太ねぎ いわき一本太ねぎ
栽培方法

播種は4月10日ころ。7月中旬で終わるキュウリの後作として7月下旬~8月上旬にネギを定植する。8月中旬に根付いたら元寄せ、その後2回土寄せして白根の形成を促す。葉身と葉鞘の分岐部(首元)まで土寄せしたら、すき間に土を入れて軽くおさえる伝統技法「手ぐるめ」を行う。これを行うと緑と白の境が美しく良く締まり、歯切れの良い多肉多汁になる。

収穫は霜が1-2回降りた12月末から1月(福島資料1)

品種特性

ネギの葉鞘は太く巻きが多いが軟らかい。ぬめりが強く、加熱すると甘みが増すのが特徴。風が吹くと倒れやすく病気に弱い欠点がある(福島資料1)

地元では千住ネギ系といわれているが、葉の軟らかさや、厳冬期には葉先が枯れ込むなどの休眠性を持つ性質から太ネギ群品種ではなく、加賀ねぎ品種群に近い品種であるように思える。

由来・歴史昭和20年代以降に在来ネギと千住ネギ群の自然交雑種から分げつが少なく品質優良で耐寒性の強い多収系統を選抜したものであるといわれている(福島資料1)
伝統的利用法薬味、鍋もの、すき焼き。生を千切りに刻んで鰹節と醤油をかけてお浸しにしても食べる。(福島資料1)
栽培・保存の現状平北白土地区のほか、いわき昔野菜保存会のメンバーが栽培している。(福島資料1)
消費・流通の現状直売所やレストランなど。
継承の現状

いわき昔野菜保存会が種子の保存と栽培の普及を行っている。

在来品種に関心のある農家の中にはいわきの在来品種を30品目以上自家採種しながら、販売している人もいる。

参考資料福島資料1:『いわき昔野菜図譜』(2011)(いわき市農林水産部農業振興課発行、いわきリエゾンオフィス企業組合編)
調査日2021/12/2
備考

いわきリエゾンオフィスが2010年からいわき市の委託を受け、「伝統農作物アーカイブ事業」を行い、いわき市内の在来品種を訪ね歩いて網羅的に調査し、約70品目の在来品種を「いわき昔野菜図譜」シリーズ(本編3巻+レシピ3巻)にまとめている。

2015年4月18日に「いわき昔野菜保存会」が発足し、市民へいわき昔野菜の種子や栽培方法,食べ方の普及等を行っている。

いわき市は自家採種や株分けにより今日まで受け継がれてきた在来作物を「いわき伝統野菜」とし、聞取り調査、料理教室、小学生への伝統野菜教室、直売会や講演会などを行ってきた。