在来品種データベース

「カラトリ芋」品種情報
生産地山形県酒田市、庄内町、鶴岡市
作物名サトイモ
品種名カラトリ芋
学名Colocasia esculenta (L.) Schott
現地での呼称からどりいも、からどり、ずいきいも、じきいも
写真からとり芋(赤茎系統)の剥きいも@鶴岡市温海川 からとり芋(赤茎系統)の栽培風景@鶴岡市温海川 からとり芋(赤茎系統)@鶴岡市温海川 からとり芋(青茎系統)の草姿@酒田市横代(湛水栽培) からとり芋@庄内町添津(畑栽培) からとり芋@酒田市横代(湛水栽培) カラトリ芋(赤茎系統)の栽培風景@旧朝日村大網
栽培方法

4月上中旬に保存しておいた種芋を出して、ビニルトンネル内の催芽床に植え付ける。20-25日後(5月上中旬、田植え後)、本葉が1-3枚展開した苗を本畑に定植。伝統的には、イネの苗とりを終えた後の肥料が大量に残っている水苗代を用いて湛水栽培が行われていたが、水苗代がなくなってからは水田栽培に変わり、近年は畑栽培が急速に増えている。湛水栽培では広葉の除草剤が使えないので、除草は耕種的防除によらざるをえない。湛水・畑とも追肥と土寄せを収穫までに2回くらい行う。収穫は10月中旬~11月中旬。

鶴岡市温海川では2,3年前まで昔のままの水苗代での栽培風景を見ることできた。農家が湛水栽培にこだわるのは、きめ細かくねっとりとした食感とほんのりとした甘味が、畑栽培のものよりも優れるからだという。しかし湛水栽培にこだわっているのは高齢者であり、次世代の農家は普通畑栽培に切り替えている人が多い。

品種特性

関西の唐芋や京都の海老芋と近縁の2倍体性の暖地適応品種である。かつて酒田市のカラトリイモ栽培地は、より温かい海岸付近にあったと栽培農家から聞いた。

芋の品質は極めて良く、デンプン質がきめ細かい。親芋はほのかにクリのような香りと甘味がある。子芋はクセがない。

由来・歴史

1735(享保20)年に編纂された『羽州庄内領産物帳』の芋の項に「紫芋 たうのいも からとり 茎葉共根をも」という記述がある。

サトイモの湛水栽培は東南アジアの栽培方法に通じるものであり、庄内地方に伝わる湛水栽培のカラトリイモは熱帯から日本にサトイモが伝わり、日本を北上していった名残であるとも考えられる。

伝統的利用法味噌に酒粕を少し加えからどり汁は寒い季節に体が良く温まる。葉柄は茹でて酢の物にしたり、干して保存食にし、納豆汁や正月の雑煮の具に用いられる。
栽培・保存の現状高齢化で酒田市や庄内町の大きな産地が消失するなど面的な栽培エリアが消え、栽培者は年々消失している。普通畑で細々と自家用栽培が点在する程度になったが、湛水栽培も酒田市や鶴岡市内に数軒存続している。
消費・流通の現状産直や近隣の飲食店。洗い芋の真空パックで長期間、首都圏への供給が可能になった。
参考資料
調査日
  • 2009/4/24
  • 2012/8/22
  • 2015/9/9
  • 2015/10/22
  • 2017/10/22
  • 2019/8/27