在来品種データベース

「子姫芋(土垂系統)」品種情報
生産地山形県寒河江市皿沼地区
作物名サトイモ
品種名子姫芋(土垂系統)
学名Colocasia esculenta (L.) Schott
現地での呼称こひめいも
写真子姫芋 子姫芋のサイズ 子姫芋の根茎 子姫芋の畑 子姫芋の草姿.葉脈が明瞭で葉縁が波打ち、葉の角度は水平ではない。葉柄との接合部が赤くなる 山寺石で作られた子姫芋用穴蔵 粘りが強い
栽培方法

寒河江川と最上川が合流する、かつて洪水の常襲地帯だった場所は肥沃な砂質土壌で根菜類を栽培するのに適している。

種芋の苗床への植付は4月中旬。5月中旬に本畑へ定植。収穫は9月下旬~10月末。

伝統的な種芋の貯蔵法は親芋と子芋をばらさず、株の根本をまるごと土着きで、作業小屋の床下にある穴蔵に保存するものである。穴蔵は山寺石という適度な湿度を調節し、冷たさを和らげる効果がある石で囲われている。現在、この穴蔵をもつ農家は極めて少なくなり、ハウスで保存するようになった。種芋は10度以下で保存するが、12度だと芽が出てしまう。穴蔵だと5℃±1度、ハウスだと6-7度くらいの保存温度になる。

品種特性土垂の一種で、葉脈は明瞭で、葉縁はやや波打つ。葉と葉柄の接合部に赤いアントシアニンの着色が出る。ねっとりしたなめらかな食感とほのかな甘味がある。火の通りが早い。
由来・歴史2007年に子姫芋を栽培していた黒田啓次郎氏と五十嵐八郎氏から聞いた話によると、江戸時代の末期ころ、五十嵐八郎氏の祖先に当たる五十嵐善太郎氏が福島県会津地方の種苗商から種芋を取り寄せたのが栽培の始まりとのことである。
伝統的利用法芋煮など。
栽培・保存の現状子姫芋生産組合13名が栽培している
参考資料山形資料13)サトイモ(里芋)子姫芋の来歴(皿沼地区子姫芋保存会 会長 黒田啓次郎 1990年12月4日記)
調査日
  • 2007/10/13
  • 2021/10/25