在来品種データベース

「火野(かな)かぶ」品種情報
生産地秋田県にかほ市
作物名カブ
品種名火野(かな)かぶ
学名Brassica rapa L. var. rapa
現地での呼称かなかぶ、にかほのかなかぶ
写真2004年当時の「にかほのかなかぶ」 2018年の「にかほのかなかぶ」 2018年の「にかほのかなかぶ」の葉 にかほのかなかぶのサイズ(全長約15cm) にかほのかなかぶの畑(2018年) にかほのかなかぶの葉の表面には毛がある
栽培方法

焼畑で栽培されてきたが、現在は焼畑だけでなく普通畑でも栽培されている。連作ができないので、1度栽培したら5年は栽培しない。

播種は7月下旬~お盆前後。昔は播種後60日くらいで収穫していたが、近年は50日前後で収穫できる。

品種特性長さ15cmくらいの細長い白カブである。葉は丸葉である。外観の白さが特に重要で、パリパリとした食感、後からくる辛みも特徴である。煮崩れしにくい。
由来・歴史由来について定説はない。現地では一説に北海道の方からきたといわれている。また北前船の経由地富山の薬売りと交流があったので、富山から来た可能性もある。
伝統的利用法塩漬け、甘酢漬け。70年前は冬期のお茶うけに利用された。みそ汁の具にする。一日寝かせて2日目以降に味がしみ込んで美味しくなる。煮崩れしにくい特徴を生かした食べ方である。皮に辛味があるので、調理する時は辛み部分が均等になるように短冊切りにする。
栽培・保存の現状最も若い生産者でも70歳と高齢化が進み、栽培農家は10軒ほどである。近年はサルやイノシシ、ウサギなどの獣害が発生している。(2018年10月)
参考資料
  • 秋田資料1:パンフレット
  • 「あきた伝統野菜」(秋田県農林水産部発行、秋田県農業試験場監修)
調査日2018/10/23
備考

秋田県では以下の3つの条件を満たしたものを「あきた伝統野菜」として紹介している。

1.昭和30年代以前から県内で栽培されていたもの。

2.地名、人名がついているなど、秋田県に由来しているもの

3.現在でも種子や苗があり、生産物が手に入るもの