在来品種データベース

「鬼首菜」品種情報
生産地宮城県大崎市
作物名ツケナ
品種名鬼首菜
学名Brassica rapa L. (アブラナ科)
現地での呼称ずなっこ
写真鬼首菜(赤) 鬼首菜 鬼首菜には切れ葉と丸葉それぞれに赤葉、青葉の個体が混じる 鬼首菜のふすべ漬け 鬼首菜の畑 鬼首菜の草姿 鬼首菜の葉表は無毛 鬼首菜の葉裏に毛がある 鬼首菜(根が白)の草姿 鬼首菜(赤首)の草姿
栽培方法

播種は8月上旬~下旬。

収穫は10月から11月中下旬の降雪まで。

茎立ち菜の季節は4月。

5月に開花し、6月中旬に莢の刈り取りを行う。半月ほど乾燥させ、7月に採種を行う。

昭和20年前後、田んぼの畦畔を焼いて(焼畑で)栽培していた人もいる。

品種特性

鬼首菜は独特の辛味と旨みを持つカブナである。

集団の中に大きな個体間変異があるので野生的な特徴を持つ、かなり古い品種であると考えられる。

丸葉と切れ葉、葉や葉柄が薄い紫色と着色がないもの、カブの表皮が紫と白色のものがあり、これらの形質の組み合わせが分離する。カブの形も細長いもの、円錐型のもの、丸型のものがあり、肥大が小さいものか等大きなものまであり、支根もよく発達する。

カブが肥大しないと、葉も美味しくないという。

由来・歴史由来は不明であるが、大正5年生まれの人が焼畑で栽培していたことを考えると、100年以上か、それ以上の栽培歴はあると考えられる。
伝統的利用法

ふすべ漬けで食べる。ふすべ漬けは葉を刻んで短時間(1分程度)沸騰したお湯にくぐらせ、水で冷やして、塩をふって密封しておくと、ワサビのような辛味が出てくる漬物である。

昔は一斗樽でカブと葉を丸ごと漬物にした。春に樽の底に残ったものを湯がいて洗って絞って、どぶろくの酒粕を入れて菜っ葉煮にした。

菜花もお浸しにして食べる

栽培・保存の現状鬼首地区で2021年には4,5軒(2019年には5、6軒)が栽培している。
消費・流通の現状

主に自家用。

大崎市内の漬物加工所が鬼首菜の甘酢漬けと刻みしょうゆ漬けを加工販売している。

継承の現状2021年は宮城県立南郷高等学校の生徒が数回栽培の手伝いに来た。
参考資料宮城資料2:「宮城県大崎市鳴子温泉鬼首地区 鬼首菜 この地で栽培されてきた在来作物」(プロジェクト鳴子CSA2020年3月31日発行 公益財団法人 トヨタ財団2017年度国内助成プログラム<育てる助成>)
調査日
  • 2018/11/17
  • 2019/11/24
  • 2021/11/23
備考

大崎市を中心とした1市4町からなる大崎地域は2017年、「『大崎耕土』の巧みな水管理による水田システム」というテーマで世界農業遺産に認定された。鬼首菜と小瀬菜大根は大崎地域を代表する伝統野菜である。

世界農業遺産「大崎耕土」ツーリズムのモデルコースの一つとして「鬼首菜収穫体験プラン」がある(https://osakikoudo.jp/about/tours/)。