在来品種データベース

「暮坪かぶ」品種情報
生産地岩手県遠野市
作物名カブ
品種名暮坪かぶ
学名Brassica rapa L. var. rapa (アブラナ科)
現地での呼称くれつぼかぶ
写真暮坪かぶ 暮坪かぶ 暮坪かぶの畑 暮坪かぶの葉の表面は無毛である 暮坪カブの葉
栽培方法

かつては焼畑で栽培されたと言い伝えられているが、現地の人によると、昭和初期にはすでに焼畑は見られなかったようである。

露地栽培では年2回収穫する。1回目は4月下旬までに播種、6月下旬から7月上旬に収穫。2回目は8月下旬までに播種、10月下旬に収穫。良いカブを選んで冷蔵庫で保存し、翌年採種する。

根こぶ病対策として、作付けした畑は4,5年休閑する。

品種特性青首の白い長カブである。生ですりおろすと辛みが強く、ダイコンの約14倍といわれている。
由来・歴史定説はないが、地元では天正時代に近江弥右衛門という近江商人が持ち込んだのではないかと伝えられている。彼は、近江国高島郡村井村(現・滋賀県高島市朽木村井)の出身で、天正年間(1573年~1592年)阿曽沼時代の遠野に来て、間もなく佐比内に移住し金山開発や佐比内の開拓を行い、慶雲時の再興を行うなど、県内の近江商人の祖といわれている。大字佐比内暮坪には近江弥右衛門の墓もある。(岩手資料5)
伝統的利用法

昔は蕪焼き(囲炉裏の灰に埋めて焼く)にしたり、保存食として漬物にして食べたという。その年に余ったカブは樽で3,4年漬ける「古漬け」にした。みそ汁の具にもする。イカや麩と一緒に煮込んだ「するめ汁」にする食べ方もある。

生で薬味として利用されるようになったのは平成になってからである。

栽培・保存の現状

現在、栽培農家は1戸のみ。

平成元(1989)年、市会議員や地元の区長など十数名を中心に遠野市上郷町の特産物を広めるための研究会が発足し、生産に力を入れ始めた。平成6年には協同組合を設立、平成9年に暮坪かぶの商標を登録した。

消費・流通の現状地元の道の駅の直売所で販売。
継承の現状栽培・保存の現状を参照。
参考資料
  • 岩手資料3:「究極の薬味 暮坪かぶ」、東北農政局岩手統計情報事務所花巻出張所編(2000)
  • 岩手資料4:遠野暮坪かぶ.木村宏征監修、林裕編集、いわてのうまいものを応援する会協力「厳選食材図鑑 1岩手」(2007)
  • 岩手資料5:三、古跡(三)近江彌右衛門宅跡、(四)近江彌右衛門の墓(岩手県上閉伊郡上郷村教育委員会編1935、「上郷村誌」、p150-151)
調査日
  • 2015/11/9
  • 2018/9/14
  • 2018/10/30
  • 2021/10/18