第7回 PGRAsiaシンポジウム

第7回 アジア植物遺伝資源 (PGRAsia) シンポジウム (Web開催) のご案内

農研機構遺伝資源センターは、農林水産省より2018年度から「海外植物遺伝資源の民間等への提供促進 (PGRAsia) 」プロジェクトを受託しています。本プロジェクトでは、アジア諸国*1 のジーンバンク等と農研機構を中心とする研究チームが連携して野菜を中心とする植物遺伝資源*2 の探索収集と特性評価を共同で行い、植物遺伝資源の利用促進に取組んでいます。

今回はWebシンポジウムとして、最近のプロジェクトの成果発表と植物遺伝資源に関する講演を行います。

  • *1 ベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマー、キルギス
  • *2 キュウリ、メロン、カボチャ、ナス、トウガラシ、アマランサス、アブラナ類、トマト
開催日時
2020年11月17日(火)13:15~14:45
開催方法
本シンポジウムはGigaCastの配信システムを使ってお送りします。
シンポジウム概要
プログラム(予定)
13:15開会農研機構遺伝資源センター 山本伸一
13:15-14:00プロジェクトの成果発表
  • PGRAsiaプロジェクトの概要について: 農研機構遺伝資源センター センター長 川口健太郎
  • キルギスにおける植物遺伝資源探索 (2019): 筑波大学 生命環境系 吉岡洋輔
  • ウリ科野菜の有望系統: 農研機構野菜花き研究部門 野菜育種・ゲノム研究領域 ウリ科・イチゴユニット 川頭洋一
  • ナス科野菜遺伝資源の探索と特性評価: 農研機構野菜花き研究部門 野菜育種・ゲノム研究領域 ナス科ユニット 松永啓
14:00-14:45遺伝資源研究会
(講演1) PRISMによる植物遺伝資源に関する新規プロジェクト計画農研機構遺伝資源センター 植物多様性活用チーム 内藤健
(講演2) 国際条約におけるDSIに関する交渉の現状総合地球環境学研究所研究部 小林邦彦
14:45閉会農研機構遺伝資源センター 山本伸一

参加申込

参加を希望される方は、下記の参加申し込み窓口より、登録をお願いいたします。
参加申し込み窓口: https://cloud.gigacast.tv/Live/Site/67uW4O
申込締め切り: 2020年11月16日(月)
※定員になり次第申込を終了させていただきます(定員150名)

開催報告

参加者
参加者数 98名(民間26、行政4、県5、独法39 [内農研機構30]、大学24)
チャットで出された質問への回答
[質問] ウイルスやカビの抵抗性の系統は、もともと同じ・類似の病原体にさらされていた地域だから抵抗性を持っていると考えられるでしょうか? あるいは別の原因によって抵抗性を持つこともあるのでしょうか?
[回答] 難しい質問ですが、遺伝的に多様な遺伝資源の集団が、ある病原体にさらされると、抵抗性のものが生き残る、ということが起きる可能性があると思います。また、長い年月がたつと、DNAの変異によって、たまたま抵抗性のものが生じる、ということもあると思います。
[質問] キルギスで収集した遺伝資源はすでにジーンバンクに格納されているということですが、研究素材として利用できるのはいつごろになる見込みでしょうか?
[回答] PGRAsiaプロジェクトで海外から収集・導入した遺伝資源につきましては、収集の翌年度から種子の増殖と特性評価に取り掛かります。収集年度末から5年が経過した時点で、種子増殖と特性評価が完了できている遺伝資源については、順次一般に公開する予定です。
[質問] キュウリ黄化えそ病 (MYSV) の抵抗性素材10点の中にはどういった外観(もしくは変種)のものがあったのでしょうか。また、1.2y抵抗性の中間型は国内の抵抗性台木と比べた場合、それよりも強いのでしょうか。
[回答] MYSV抵抗性の有望系統については、直径6cm程度の小さなポットで栽培して抵抗性検定を実施しており、外観については記録していません。今後、研究を進めていく中で、果実を含めた外観も調べていきたいと思います。次に、「1.2y抵抗性の中間型」につきましては、1次検定の結果ですので、抵抗性の程度は不明です。今後、2次検定を実施して抵抗性の程度を確認する予定です。
[質問] 昨年のご報告で、在来作物に関するデータベースを整備しているお話があったように記憶しています。現在、どのような状況にあるのか、教えてください。
[回答] 現在もデータ収集を行っており、公開することになれば適切なタイミングでPGRAsiaプロジェクトのウェブサイトでお知らせします。ちょうど第203回国会で種苗法改正案に関する附帯決議として「公的試験研究機関による品種開発及び在来品種の収集・保全を促進すること。」という内容を含むものが採択されたところですので、必要に応じて、これに呼応する形で進めていきたいと考えております。

お問い合わせ先

農研機構遺伝資源センター PGRAsia事務局
E-mail: office-PGRAsia at(nospam) gene dot affrc dot go dot jp
FAX: 029-838-7054
電話: 029-838-8707(根本)029-838-7459 (山本)