在来品種データベース

「山かぶら」品種情報
生産地滋賀県長浜市余呉町
作物名カブ
品種名山かぶら
学名Brassica rapa L. var. rapa
現地での呼称やまかぶら
写真山かぶらは今は多様な形態が混じるが、もともと栽培地によって形態が異なった。左から摺墨、鷲見、中河内地区のタイプ 内部までアントシアニンが入る 中身の色は中がもっと白いものから、中身の全体が赤いものまである。白っぽいものも漬物にすると全体が赤く染まる
栽培方法焼畑で栽培されてきた。焼畑はかつては7月下旬に火入れし、8月上旬に播種した。近年は8月上旬に火入れと同日に播種する。収穫は10月下旬から。採種親を選んで畑に植え付けるとき、カブの尻を切って植え付ける慣行がある。
品種特性葉の表面に毛じがある。肉質は硬い。継承された集落ごと(中河内、鷲見、摺墨)に形の異なる3系統がある。
由来・歴史古くから焼畑で栽培されてきたが、昭和42年から杉の植林が始まり、焼畑が消失し、栽培も衰退した。
伝統的利用法伝統的にカブはぬか漬けなどの漬物にした。煮付け、塩炊きのほか、囲炉裏の火で焼く食べ方もある。間引き菜は塩漬け。
栽培・保存の現状故・永井邦太郞氏と大学の研究者、地域づくり実践者らが活動するグループ「火野山ひろば」が協力して2007年に焼畑と山かぶらの栽培を復活させた。現在は株式会社ロハス余呉も焼畑に協力している。
消費・流通の現状かぶらを使ったドレッシングが開発され、ウッディパル余呉(株式会社ロハス余呉のレジャー宿泊施設)で販売している。
参考資料
  • 滋賀資料4)現代によみがえる焼畑。農業と経済2020年6月号。
  • 滋賀資料20)鈴木玲治・大石高典・増田和也・辻本侑生編著(2022)「焼畑が地域を豊かにする 火入れからはじめる地域づくり」実生社
調査日2014/11/26