在来品種データベース

「勝山水菜」品種情報
生産地福井県勝山市
作物名ツケナ
品種名勝山水菜
学名Brassica rapa L.
現地での呼称かつやまみずな
写真露地栽培の勝山水菜 勝山水菜のトンネル栽培 トンネル内の勝山水菜 水路と取水口
栽培方法9月中下旬に播種、雪下で越冬させる。栽培方法はトンネル栽培と露地栽培があるが、大半は前者である。うね間に地下水を流して勝山水菜の雪を融雪し、さらにビニールでトンネル被覆して生育を促す。2月中旬ころから伸びてきた花茎を葉ごと収穫する。露地栽培では収穫時期が3月中旬以降になる。
品種特性

勝山市内でも集落ごとに受け継がれている系統とその特性(葉形や茎色など)が異なり、北市水菜、郡(こおり)水菜、さんまい水菜、平泉寺水菜に大別されるが、北市系統が本来の勝山水菜であるといわれている。

各系統の特徴は次の通り。北市系統は、色の濃い青茎、早生、香りや苦味もやや強いが、甘味に富む。耐寒性が強く、とう立ちは早い。郡系統は茎の色が淡く、やや晩生、苦味は少なく、適度な甘味がある。さんまい系統は北市系統と郡系統の中間的な姿、茎の色は黄緑色である。平泉寺系統は葉が大根葉のようにギザギザで、葉や茎の緑色が濃い。抽台は遅い。(福井資料2)

由来・歴史勝山市で江戸時代から栽培されている。他の菜類に比べてアクがなくみずみずしいことや、うね間に水を流して栽培したところから、水菜と名付けられたといわれている。
伝統的利用法お浸しが定番。お茶漬けや煮浸しなど。
栽培・保存の現状2024年現在、北市では生産者数は11戸、栽培面積2.5ha。
参考資料福井資料2)ふるさとやさいの会編「ふくいの伝統野菜」(1998年、福井新聞社発行)
調査日2013/3/13
備考生産者、流通業者、自治体で組織された「伝統の福井野菜振興協議会」が平成23(2011)年に設立され、5年間程度、PR、生産・消費拡大、ブランド化を支援していた。