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カキ [Diospyros kaki Thunb.]
解説
- 日本における状況
- 2010年の収穫量は約19万トンで、カンキツ類、リンゴ、ナシに続く第4位である。ほぼ100年前の1905年当時は、日本の主要果樹で1位を占めていた。
- 起源と分類
- 中国、朝鮮半島、日本に分布している落葉樹。一般に中国が原産であると考えられており、日本には奈良時代(8世紀)に中国から渡来したとする説が有力。甘柿と渋柿、そして渋の抜け方により、完全甘柿、不完全甘柿、不完全渋柿、完全渋柿に分類される。甘柿はほとんど日本のみに分布しており、日本で渋柿から誕生、発達したと思われる。禅寺丸は1214年に発見されたとされる。
- 特徴
- ・完全甘柿: 種子の有無にかかわらず甘柿となる。多少の褐斑ができる。富有、次郎等。
- ・不完全甘柿: 種子ができると多量の褐斑が生じて甘柿となる。種子数が少ないと脱渋しない部分が生じる。西村早生、禅寺丸等。
- ・不完全渋柿: 種子の周囲に褐斑を生じて脱渋するが、その範囲が狭く常に渋柿となる。平核無、刀根早生等。
- ・完全渋柿: 種子の有無にかかわらず渋柿となる。褐斑なし。西条、愛宕等。
- 利用
- 果実を食用とする他に、昔は調味料や染料にも用いた。また柿渋は防水・防腐に用いられていたが、現在では日本酒製造時の清澄剤として重要。
- 参考文献
- 植物遺伝資源集成 (1989) 講談社
- 世界有用植物事典 (1989) 平凡社
- 農林水産省統計情報 (http://www.maff.go.jp/j/tokei/index.html)