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ナタマメ [Canavalia gladiata (Jacq.) DC.]
解説
- 日本における状況と農業生物資源ジーンバンクからの情報
- ナタマメは日本ではあまり栽培されていないマメである。ナタマメは江戸時代の初期に日本に導入されたと考えられている(星川 1981)。
- それ以来,日本では小規模な栽培が続いている。若い莢が福神漬け,糠漬け,味噌漬けなどに加工されて利用されている。
- 起源
- ナタマメは,ずっと熱帯アジアで栽培化されたといわれてきたが,現在のところナタマメが栽培化された地域を特定することは難しい。
- 祖先野生種と考えられている C.virosa Wight & Arn. は,熱帯アジアから熱帯アフリカに広く分布している (Purseglove, 1974)。
- 分類
- ナタマメは, Canavalia 属の Canavalia 亜属に属するマメである。Canavalia 属は,4亜属,51種から構成されている (Smartt 1990)。
- ナタマメには2つの変種から構成されている。Canavalia gladiata var. gladiata は,赤みがかった種子と花を持つ。Canavalia gladiata var. alba は,白い種子と花を持つ。
- Westphal (1974) は,旧世界に分布するナタマメ (C.gladiata (Jacq.) DC.)は,新世界に分布するタチナタマメ (C.ensiformis (L.) DC.)および C.plagiospermus Piper と同一種であると考える説を提出している。2n=22。
- 特徴
- ナタマメは,主として熱帯アジアや暖温帯アジアで栽培されている多年生のマメであるが,一年生の作物として栽培されることが多い。
- 葉には光沢がある。莢は,長さ30cm幅5cm程度である。一莢には,10-14 粒の種子が入っている。種子は,楕円形で長さ約3cmである。
- 利用
- ナタマメは,一般に飼料作物,緑肥作物または被覆作物として栽培されている (Purseglove, 1974)。
- 熱帯アジアでは,若莢はや未熟種子は広く野菜として利用されている。
- 参考文献
- 星川清親 1981. ナタマメ 「新編食用作物」pp.547-548. 養賢堂.
- Purseglove, J.W. 1974. Tropical Crops : Dicotyledons. London : Longman.pp.242-246.
- Smartt,J. 1990. Grain Legumes. Cambridge University Press. pp.301-309.
- Westphal, E. 1974. Pulses in Ethiopia, their taxonomy and ecological significance. Wageningen: Centre for Agricultural Publishing and Documentation (PUDOC). (Smartt,1990 から引用)