トップ > 植物画像データベース

ササゲ [Vigna unguiculata (L.) Walpers cv-gr. Unguiculata E. Westphal]

解説

日本における状況と農業生物資源ジーンバンクからの情報
ササゲは9世紀以前には日本に導入されていたと考えられている (星川 1981)。日本で裁培されているササゲの種子色は赤または黒のものが多くで,アズキと同様に赤飯,餡,ぜんざいなどにして利用されている。
関東では,ササゲは赤飯にするときアズキに比べて種皮が割れにくく縁起が良いとして多く利用されている。一方北関東では,ササゲのつるで弘法大師がころんでゴマで目をついたという言い伝えがあり,ササゲとゴマの栽培をタブーとしている地域がある。
起源
ササゲはその祖先野生種 V.unguiculata subsp.dekindtiana (Harms) Verdc. からアフリカで栽培化されたものと考えられている (Ng and Marechal, 1985)。ササゲの多様性中心はアフリカ中西部のナイジェリア付近である。ササゲは古くからアジアに広がっていたと考えられる。
分類
ササゲはササゲ属(Vigna)ササゲ亜属(Vigna)に属する一年生のマメ科作物である。Verdcourt (1970) は,栽培種のササゲ類( V.unguiculata )を3つの亜種, subsp. unguiculata,,subsp. sesquipedalis , subsp. cylindlicaに分類した。その後,Marechal et al. (1978)は,Verdcourtが提案した3つの亜種には分類学上の単位として分けるほどの違いはなく,品種群として分類することを提案した。
彼らが提唱した栽培種ササゲ類の4つの品種群は,品種群 Unguiculata,品種群 Sesquipedalis,品種群 Bifloraおよび品種群 Textilis である。品種群 Unguiculataはアフリカで栽培化されたいわゆるササゲ,品種群 Sesquipedalisは東南アジアを中心に裁培される長い莢を野菜として利用するジュウロクササゲ,品種群 BifloraはVerdcourtの亜種cylindlicaにあたり小粒で莢の短いハタササゲ,品種群 Textilisは長い花梗から繊維をとるために北アフリカに裁培されていた品種群である。2n=22,24。
特徴
ササゲ(品種群Unguiculata)はササゲ類の食用の3品種群の中で,最も地理的分布が広く遺伝的多様性も大きい品種群であると思われる。葉は光沢があり,花は紫,白または黄。種子色は白,茶,褐,紫,黒,およびさまざまな斑紋種がある。莢の長さは20-30cmで,花梗から横向きまたは下向きにつく。種子の長さは 6-10mm。
利用
アフリカではササゲは煮た後すりつぶしてスープとして食べられている。インドではダールとして利用されている。東南アジアや東アジアでは煮豆,ぜんざい,赤飯,ご飯に混ぜるなどして食べられている。
参考文献
星川清親 1981. ササゲ 「新編食用作物」pp.475-481. 養賢堂.Hoshikawa,K. 1981.
Marechal,R., J.M.Mascherpa and F.Stainer. 1978. Etude taxonomique d'un groupe complexe d'speces des genres Phaseolus et Vigna (Papilionaceae) sur la base de donnees morphologiques et polliniques, traitees par l'analyse informatique. Boissiera 28 : 191-193.
Ng,N.Q. and R.Marechal. 1985. Cowpea taxonomy, origin and germ plasm. In "Cowpea Research, Production and Utilization" eds.S.R.Singh and K.O.Rachie. pp.11-21. John Wiley & Sons Ltd.
Verdcourt,B. 1970. Studies in the Leguminosae - Papilionoideae for the "Flora of Tropical East Africa" : IV. Kew Bulletin 24 : pp.542-544.