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ジュウロクササゲ [Vigna unguiculata (L.) Walpers cv-gr. Sesquipedalis E. Westphal]

解説

日本における状況と農業生物資源ジーンバンクからの情報
ジュウロクササゲは,地域によって「ナガササゲ」,「サンジャクササゲ」,「フロウマメ」などとも呼ばれる。以前は広く日本各地で裁培されていたが,最近は在来種の栽培はほとんど見られなくなった。我々は,南西諸島と鹿児島県の探索によって数系統のジュウロクササゲを収集することができた(河瀬・友岡,1993,友岡ら,1995,友岡, 1996)。
山形県での聞き取りによると,ジュウロクササゲの長い莢は,お盆に仏壇の前に作る飾りのひとつとして使われる。
起源
ジュウロクササゲ(Vigna unguiculata cultigroup Sesquipedalis)は,アフリカに起源し東南アジアに伝播したササゲ (cultigroup Unguiculata)から,東南アジアにおいて作り上げられた品種群であると考えられている (Ng and Marechal 1985)。ジュウロクササゲの多様性中心は,東南アジアである。
分類
ジュウロクササゲはササゲ属(Vigna)ササゲ亜属(Vigna)に属する一年生のマメ科作物である。Verdcourt (1970) は,栽培種のササゲ類( V.unguiculata )を3つの亜種, subsp. unguiculata,,subsp. sesquipedalis , subsp. cylindlicaに分類した。その後,Marechal et al. (1978)は,Verdcourtが提案した3つの亜種には分類学上の単位として分けるほどの違いはなく,品種群として分類することを提案した。
彼らが提唱した栽培種ササゲ類の4つの品種群は,品種群 Unguiculata,品種群 Sesquipedalis,品種群 Bifloraおよび品種群 Textilis である。品種群 Unguiculataはアフリカで栽培化されたいわゆるササゲ,品種群 Sesquipedalisは東南アジアを中心に裁培される長い莢を野菜として利用するジュウロクササゲ,品種群 BifloraはVerdcourtの亜種cylindlicaにあたり小粒で莢の短いハタササゲ,品種群 Textilisは長い花梗から繊維をとるために北アフリカに裁培されていた品種群である。2n=22,24。
特徴
ジュウロクササゲの葉はやや光沢があり,花は紫または白である。ジュウロクササゲの花はササゲの花より大きい。
種子はやや湾曲しササゲの種子より細長く,長さ8-12mm。種子色は黒,褐,白地茶斑,白地黒斑など多様。
莢長は30-90cmで柔らかく多汁質。莢は垂れ下がる。
利用
若莢を野菜として利用する。
参考文献
河瀬真琴・友岡憲彦.1993. 沖縄本島,久米島および奄美大島における在来作物の収集と調査.植物遺伝資源探索導入調査報告書.Vol.9: 7ー14.
Marechal,R., J.M.Mascherpa and F.Stainer. 1978. Etude taxonomique d'un groupe complexe d'speces des genres Phaseolus et Vigna (Papilionaceae) sur la base de donnees morphologiques et polliniques, traitees par l'analyse informatique. Boissiera 28 : 191-193.
Ng,N.Q. and R.Marechal. 1985. Cowpea taxonomy, origin and germ plasm. In "Cowpea Research, Production and Utilization" eds.S.R.Singh and K.O.Rachie. pp.11-21. John Wiley & Sons Ltd.
友岡憲彦・中山博貴・山田清道・杉本明.1994. 種子島・屋久島における在来作物の探索収集.植物遺伝資源探索導入調査報告書.Vol.10: 15-24.
友岡憲彦. 1996. 鹿児島県における在来作物の収集と調査.植物遺伝資源探索導入調査報告書.Vol.12: 9-19.
Verdcourt,B. 1970. Studies in the Leguminosae - Papilionoideae for the "Flora of Tropical East Africa" : IV. Kew Bulletin 24 : p.542-544.