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アズキ [Vigna angularis (Wild.) Ohwi et Ohashi]

解説

日本における状況と農業生物資源ジーンバンクからの情報
アズキは日本では古くからの栽培の歴史を持つ重要なマメである。アズキに関する記述は8世紀の古事記、日本書紀に既にみられる(星川,1981)。
多くの在来品種が成立しており、今でも自家消費用に在来品種を栽培する農家が多い。商業的栽培の中心は北海道である。
日本は1994年に79,978tのアズキを輸入した。そのうちの90%以上は中国からの輸入である(雑豆輸入基金協会,1995)。
日本ではアズキは赤飯、小豆粥として儀礼や祝い事に欠かせない作物である。その他、あん、汁粉などに加工されて利用されている。
起源
アズキは、その祖先野生種と考えられているヤブツルアズキ(V. angularis var. nipponensis (Ohwi) Ohwi & Ohashi)から中国,朝鮮半島または日本で栽培化されたと考えられていた。しかし、最近ヤブツルアズキの分布域がこれまで考えられていたより広く、日本、朝鮮半島、中国からヒマラヤにいたる植物地理学でいう日華区系に広く分布していることが明らかになった(Tateishi, 1984, Lumpkin and McClary, 1994, p. 39, Fig. 4. 1. 参照)。
アズキの栽培化が起こった地域はこの日華区系の中から再検討する必要がある。
分類
アズキはササゲ属(Vigna)アズキ亜属(Ceratotropis)に属する一年生草本である。以前はインゲンマメ属(Phaseolus)やアズキ属(Azukia)に入れられていたことがあった。
Vigna属は、近縁のPhaseolus属とともに、Phaseolus-Vigna complexと呼ばれる分類学的に複雑な分類群を形成している。
Verdcourt (1970)はPhaseolus属をアメリカ起源で花柱がコイル状に3回程度回転し荒い網目模様のない花粉粒をもつ種に限ることを提案し、Phaseolus属の概念を明確にした。これに伴ってVigna属の概念は広がり、アズキを含むいくつかの種がPhaseolus属からVigna属へ移された。
Marechal et al.(1978)は、Verdcourtの提案を受け入れPhaseolus-Vigna complexの新分類体系を発表した。彼らの新分類体系が、現在最も広く受け入れられている。2n=22。
形態的特徴
アズキは日本、朝鮮半島、中国、ブータン、ネパールで栽培されている一年生草本である。直立する品種が多いが、ネパールやブータンの品種は日本で栽培するとほふく性になる。
花は、淡黄色。種子色は多様で、赤、白、黒、ねずみ色、白地赤斑(アネゴアズキ)など。発芽は地下子葉型で心形の初生葉には葉柄がある。
利用
完熟種子が赤飯、餡、粥、汁粉などとして利用される。
参考文献
星川清親 1981. アズキ 「新編食用作物」 pp.460-470. 養賢堂.
Lumpkin,T.A. and McClary,D.C. 1994. Azuki Bean : Botany, Production and Uses. CAB International.
Marechal,R., J.M.Mascherpa and F.Stainer. 1978. Etude taxonomique d'un groupe complexe d'speces des genres Phaseolus et Vigna (Papilionaceae) sur la base de donnees morphologiques et polliniques, traitees par l'analyse informatique. Boissiera 28.
Tateishi,Y. 1984. Contributions to the Genus Vigna (Leguminosae) in Taiwan I. Sci. Rep. Tohoku Univ. 4th ser. (Biology) 38: 335-350.
Verdcourt,B. 1970. Studies in the Leguminosae - Papilionoideae for the "Flora of Tropical East Africa" : IV. Kew Bulletin 24 : pp.558-560.
雑豆輸入基金協会 1995. 輸入豆類図鑑 .