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ふじまめ [Dolichos lablab L. ]

解説

日本における状況と農業生物資源ジーンバンクからの情報
フジマメは1654年に中国の高名な禅僧「隠元」によって中国から導入されたものと考えられている (星川, 1981)。そのためフジマメは関西ではしばしばインゲンと呼ばれる。
フジマメの栽培は暖かい西日本に点々とみられる。日本では若莢が野菜として利用されている。
起源
フジマメは熱帯アジアに最も広く栽培されていることから,これまで熱帯アジア起源のマメであると考えられてきた (Purseglove, 1974)。
しかし, Verdcourt (1970) は,祖先野生種 L.purpureus subsp.uncinatusの分布から東アフリカ起源説を提唱した。
分類
フジマメとその近縁種の分類体系は最近再検討され見直された (Smartt, 1990)。これまで,フジマメはリンネによって Dolichos 属に分類されていた。
Verdcourt (1980)は,フジマメを Lablab 属に分類した。フジマメ(L.purpureus )には3亜種が認められている (Verdcourt, 1970)。
Subsp.uncinatus はフジマメの祖先野生種と考えられている亜種で,分布は主として東アフリカである。この亜種のさやの大きさは,約 40mm x15mm である。
Subsp.purpureus は栽培種フジマメでさやの大きさは 100mm x 40mm 程度である。Subsp.bengalensisは他の亜種に比べて細長いさやをもつのが特徴で,その大きさは 140mm x 10-25mm 程度である。2n=22,24.
特徴
フジマメは多年生のマメ科草本であるが,一年生作物として栽培されることが多い (Purseglove, 1974)。フジマメは普通つる性で 1.5-6m 程に生長するが,ブッシュタイプの品種もあるという。
葉は,3出葉である。花は,紫か白。種子は,白,クリーム,赤褐,黒および斑入りと多様な変異をしめす。へそは白く,盛り上がり,種子の周囲の 1/3 程の長さ。100粒重は 25-50g。
利用
インドを中心とした熱帯,暖温帯アジアで若莢や未熟種子が野菜として利用されている (Purseglove, 1974)。
インドでは完熟種子がダールとして食べられている。この他,飼料作物や被覆作物として裁培されることもある。
参考文献
星川清親 1981. フジマメ 「新編食用作物」pp.540-542. 養賢堂.
Purseglove, J.W. 1974. Lablab niger, In "Tropical Crops : Dicotyledons." London : Longman. pp.273-276.
Smartt,J. 1990. The hyacinth bean. In "Grain Legumes" Cambridge University Press. pp.294-298.
Verdcourt,B. 1970. Studies in the Leguminosae - Papilionoideae for the Flora of Tropical East Africa" : III. Kew Bulletin 24 : pp.379-447. (Smartt, 1990 からの引用)
Verdcourt,B. 1980. The classification of Dolichos L. emend. Verdc., Lablab Adans., Phaseolus L., Vigna Savi and their allies. In "Advances in Legume Science" eds.R.J.Summerfield and A.H.Bunting. Kew Royal Botanic Gardens. pp.45-48.