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ダイズ [Glycine max Merrill]

解説

日本における状況と農業生物資源ジーンバンクからの情報
ダイズは日本において古くから重要な作物であった。ダイズは弥生時代初期(500 B.C. から 400 A.D.)に中国から入ってきたと考えられている(星川 1981)。 それ以来日本各地でそれぞれの環境に適応し,さまざまな用途に適した在来種が作られてきた。日本で裁培されているダイズは直立性の品種がほとんどであるが,MAFFの国内探索で収集した,沖縄において緑肥用として栽培されていたゲダイズと呼ばれるダイズはほふく性であった (勝田・竹谷 1992)。
ゲダイズは小粒で偏平な種子の品種であった。近年IPGRIの予算によって派遣された日本とパキスタンの共同探索隊は,パキスタンの北部で栽培ダイズを収集した (Egawa et al. 1992)。栽培されていた品種は小粒偏平のほふく性品種で,飼料として利用されていた。
日本におけるダイズの利用法は多様である。完熟種子は煮豆,炒り豆,ひたし豆などとして利用される他,種子を発芽させてモヤシにすることもある。日本にはダイズの発酵食品として納豆,豆腐,醤油があるが,それぞれの目的に応じた品種が発達している。若さやは,枝豆として利用されている。
起源
ダイズは中国東北部において祖先野生種と考えられている Glycine soja Sieb & Zucc. から栽培化されたと考えられている (Hymowitz and Newell, 1980)。栽培ダイズと野生ダイズの中間的な形態をもつ半栽培あるいは雑草タイプのダイズ G. gracilis Skv., は,中国東北部だけで見出されている (Hymowitz and Singh 1987)。
G.soja の分布は中国,ロシアの極東地域,日本,韓国および台湾である。
分類
ダイズは GlycineSoja亜属に属する一年生のマメである。Soja亜属には2種, Glycine 亜属には7種が知られている (Hymowitz and Singh 1987)。2n=40。
特徴
ダイズは直立またはつる性の一年草である。花は小さく,紫または白。種子色は多様で,黄白,黄,緑,茶,褐,黒および緑地黒斑など。
利用
種子に含まれる油は食用油や工業用油として利用されている。完熟種子はさまざまな形で利用されている。若さやは枝豆として利用されている。
参考文献
Egawa,Y, H.Nakano and M.S.Bhatti 1992. Grain legumes. In "A Report of IBPGR Exploration in Northern Pakistan (1991)" NIAR/IBPGR.
星川清親 1981. ダイズ 「新編食用作物」pp.416-459. 養賢堂.
Hymowitz,T.and Newell,C.A. 1980. Taxonomy, speciation, domestication, dissemination, germplasm resources and variation in the genus Glycine. In "Advances in Legume Science" pp. 251-264 (eds. R.J.Summerfield and A.H.Bunting) Kew: Royal Botanic Gardens.
Hymowitz, T and R.J.Singh. 1987. Taxonomy and Speciation. In " Soybeans: Improvement, Production, and Uses" 2nd ed. Agronomy Monograph no.16. pp.23-48.
勝田真澄・竹谷勝.1992. 沖縄県における雑豆および雑穀類在来品種の探索収集.植物遺伝資源探索導入調査報告書.Vol.8: 1-8.