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てんさい(多胚) [Beta vulgaris L.]
解説
- 起源
- 地中海周辺・西アジアから北欧にかけ、広く野生種が分布している。直接の祖先は B. maritimaと考えられる。
- 食用の栽培は紀元前400年頃から始まったが、今日のような製糖を目的とする育種・栽培は、18世紀後半から始まった。
- 特徴
- 2年生であり、播種当年に根(菜根)が肥大し、この中にショ糖を含む。根は細長い円錐形であるが、品種・環境で変化する。
- 葉は長円~卵形または心臓形で、光沢を有する。越冬後、2年目に花茎を伸ばして開花結実する。
- 種子には単胚(真正種子1)から多胚(同 複数)があり、相応して花の形状も異なる。
- 利用
- 根に15~20%のショ糖を含み、製糖原料用として栽培される。欧州諸国ではアルコール原料用としての栽培も行っている。
- 葉、冠部及び製糖時に出るビートパルプを家畜の飼料として利用することもある。
- 参考文献
- 細川定治 著 「甜菜」 養賢堂 (1980)