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小麦(普通系) [Triticum aestivum (L.) Thell.]

解説

日本における状況
北海道、北関東、北九州地方が3大主産地であり、1998年産で約16万haの栽培がある。
日本の小麦からとれる小麦粉はほとんどが中力粉で、主にうどんなどの麺用に用いられる。北海道の春播小麦は蛋白含量が高く、パン用や醤油用に用いられる。
また、これまで小麦にはもち性品種がなかったが、最近、世界で初めて日本で育成された。
起源・分類
イネ科のコムギ属に属し、ゲノムの構成はAABBDDの6倍体(2n=42)である。世界の主要穀類の一つであり、パンコムギとも呼ばれ、世界中で広く栽培される。
Aゲノムをもつ野生1粒系(ヒトツブ)コムギと、Bゲノムをもつエギロプス属との交雑から2粒系(フタツブ)コムギが成立し、さらにDゲノムをもつタルホコムギとの交雑から、現在の6倍体普通系コムギが成立したと考えられている。
普通系コムギの炭化種子が、紀元前5500年頃のトルコ、イラン、イラクなどの遺跡から出土しており、この場所は2粒系コムギとタルホコムギの分布が重なっていた地域である。
特徴
稈長は、改良品種では0.8~1mである。穂軸を中心に両側列に多くの小穂を互生した複穂状花序である。
穎と粒は成熟時に分離し、背面には縦溝がある。粒の色は、白黄色から赤褐色まである。
利用
製粉して、広く食用に用いられる。小麦粉は蛋白含量によって、強力粉、中力粉、薄力粉に分類され、強力粉からは主にパン類、中力粉からは主にめん類(うどん、そうめん等)、薄力粉からは主に菓子類(スポンジケーキ、クッキー)が作られる。また、日本では粒のまま醤油の原料にもなる。
参考文献
野口・川田 監修(1987) 農学大事典(第2次増訂改版) 養賢堂
星川清親(1983) 新編食用作物 養賢堂
藤巻・鵜飼(1985) ライフサイエンス教養叢書 世界を変えた植物 培風館